駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇雪組『New Wave!-雪-』

2017年02月18日 | 観劇記/タイトルな行
 宝塚バウホール、2017年2月14日11時。

 雪組によってこれまでに上演された作品の名場面を再現するとともに、古今東西の名曲をエネルギッシュに届けるエンターテインメント・ショー。作・演出/三木章雄、全2幕。

 花組版の感想はこちら、月組版はこちら、宙組版はこちら
 宙組のときにいろいろ比べられて語られて嫌な思いもしたものですが、それでもアホほど通って観たもので印象が強く、なのでどうしても比べて語ってしまいます、すみません。
 私は雪組はイチロさん時代から生で観ていて、でもカリンチョさん、モサクさん、ターコさんくらいまでは映像で遡って見ていて、でもまーちゃんが苦手だったのでコム時代をほぼ観ていなかったりもして、要するに雪組と星組に一番かかわりが薄いので、そのバイアスもあるとは思います。でもひとこの新公は縁あってけっこう観ているので、下級生もまあまあわかるつもりなんですが…しかし、若かったな! さすがにタレントが少ない印象でした。
 というか幕開けはあれでよかったの…? メインがふたりしかいないんだし、まずはひとこに露払いさせて満を持してれいこ登場、ってコンセプトだったんでしょうけど、私はやっぱり寂しかったです。それは宙で幕が開いたときにてっぺんセンターに贔屓がいるのを見て仰天してアタマ真っ白になってやっと「主な出演者」ってこういうことかと震撼したときの記憶が今まだ生々しいから、なのですが…れいこちゃんファンにもその感動があってもよかったのではないかな、という余計なお世話です。
 というかれいこちゃんなんてもう呼べませんね、月城さんですね…!(私がこの呼び方をするのは大空さんと珠城さんくらい。そろそろだいもんもヤバいが) 私の中ではすんごい美人なんだけど…という印象だったのが、やはり組替えが決まったころからかすごく垢抜けてきていてスイッチがひとつ入った感じで、今回も押しも押されぬ座長っぷり真ん中っぷり、頼もしかったです。もちろんひとこにも大器を感じるんだけど、まだまだ甘えがあるのかはたまたやっぱりまだまだ下級生なんだよということなのかけっこうわたわたして見えたので、なおさられいこちゃんの肝の据わりっぷりが舞台を締めていたと思いました。
 でも、これは明らかにミキティのせいなんだけれど、場面構成としてはパラパラしていて、生徒の使い方も微妙で、これでいいのかな組ファンは盛り上がっているのかな私は知らない場面ばかりだけれど過去のショーで有名な場面だったんだろうか…みたいに終始ややもやもやしながら観てしまいました。客席降りもおとなしいと言われた宙に輪をかけておとなしかったし。というか盛り上がりようがない選曲だったし。もうちょっとミキティが工夫してあげてもよかったんでないかい?
 また、三番手格のすわっちがすでにわりとちゃんとなんでもできるのに対して、センアガタはやっぱりまだまだで特に歌はつらいというのもつらかったですね。これまた比べてあれですが、宙ではメイン最下級生のずんちゃんが実は一番歌えるというのが強かったんですよ。とっぱしで歌わせてもなんら問題がない、という有利さ。それがセンアガタだとガタタ、ってなるわけですからね…ただこの人にも大器は感じるので、場数を与えることも大事なのでしょう。がんばれ!
 ただ、歌は叶ゆうりくんと愛すみれちゃんにほぼほぼ任せて、みちるをもっとヒロイン格にしてとにかくバリバリ躍らせて、あとディーバっぽいのはすべて桜庭舞ちゃんに歌わせて…ってしてもよかったんじゃないかなーとも思いました。
 でもひまりちゃんも表情のつけ方がとてもよかったし、話題の潤花ちゃんは確かにたいしたものですね。ただ個人的には顔が苦手…
 たわしや眞ノ宮くんもよかったです。
 私が観た回の生徒紹介はかりあんこと星加梨杏くん。顔が好きかなと思っていましたが、まあまだこれからという感じかな。関西人でロミジュリが好き、というんで大阪弁でロミオを、とか振られてすぐジュリエットになるひとこが可愛かったです(笑)。
 黒燕尾の群舞とロケットがなかったのは寂しかったなあ。出色だったのがその黒燕尾を唯一着たれいこちゃんの「散らば花のごとく」で、新公時代より明らかにうまくなっているし、本当にバウホールが狭く見えました。
 そこからのひとこスカーレットとのナイタンデーですから、これはもう大階段と銀橋が見えましたよ。ひとこのお衣装がまぁ様とかいちゃんの宙組版ってのもあるけど、だからバンドの掛け声が入らないのが寂しいとかもあるんだけど、銀橋に出ていく振りのところで拍手しかけましたよねホント。ふたりが息ぴったりで本当に楽しそうにやっていて、舞台がこのふたりにはもう狭くて。楽しかったです。
 でもこのふたりは意外に芸風が違うよね、とも今回改めて感じました。先のことはわからないしまたどこかで一緒になることもありえるんだろうけれど、この組替えはやはり好機なんじゃないでしょうか。
 ひとこと椅子は、ごちそうさまでした。れいこはシャレードもよかった、トップさんでこういう場面ってあるよね!とホント思いました。
 宙の新曲だった「Over The Wave」がまた聴けて嬉しかったです。

 ぜひ星でもやってほしいです。というかこうなるとやるだろうけれど、せおっち、しどりゅー、華華とかでしょ? 楽しみです。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宝塚歌劇雪組『星逢一夜/G... | トップ | 塩田武士『罪の声』(講談社) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観劇記/タイトルな行」カテゴリの最新記事