京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった…
第7回山田風太郎賞受賞作。
おもしろく読みましたし、ちょっとするする進みすぎかなとも思いましたが、実際の事件もたとえばこういう要素もあったのかもしれない、とは思わせられました。
ただ、これが宮部みゆきだったらなー、とかちょっと思いました。アイディアやギミックが先行していて、人間や社会が描けていない気がしたのです。俊也はともかく、英士の描き方は特に弱い。彼でなければならなかった理由、彼の人生もまた変わる様子などがもっと描かれなければならなかったのではないでしょうか。そこでこそ読ませないと、結局はすべて絵空事…となってしまう気がしました。そこが残念でした。
第7回山田風太郎賞受賞作。
おもしろく読みましたし、ちょっとするする進みすぎかなとも思いましたが、実際の事件もたとえばこういう要素もあったのかもしれない、とは思わせられました。
ただ、これが宮部みゆきだったらなー、とかちょっと思いました。アイディアやギミックが先行していて、人間や社会が描けていない気がしたのです。俊也はともかく、英士の描き方は特に弱い。彼でなければならなかった理由、彼の人生もまた変わる様子などがもっと描かれなければならなかったのではないでしょうか。そこでこそ読ませないと、結局はすべて絵空事…となってしまう気がしました。そこが残念でした。
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