駒子の備忘録

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『Jubilant』

2018年12月25日 | 観劇記/タイトルさ行
 東京會舘ローズルーム、2018年12月23日13時半。

 来年1月8日に新規オープンする東京會舘のプレオープン企画、宝塚歌劇団OGによるDS。構成・演出/中村一徳、音楽監督・指揮/塩田明弘。

 出演者は湖月わたる、朝海ひかる、大空ゆうひ、壮一帆、白羽ゆり、遠野あすか。
 当初は「え? 誰が歌うの?」とか思ったものでした(笑)。強いて言えばあすかかな、あとは現役時代に歌手として名をはせた人はいないメンツだよね、という…でもあすかも最近はちょっと芸能活動から身を退いている印象ですし、腹筋が落ちているというか歌唱力はそんなに圧倒的なものを感じませんでした。むしろ舞台女優としてストプレやミュージカルにバリバリ出演している他のメンツの方がレベルアップしていて、まったく問題なかったです。
 というかとてもとても贅沢な時間と空間を過ごせました。リニューアルした東京會舘が絨毯ふかふかでシャンデリアきらきらでリッチでゴージャスでラグジュアリーでお食事もお酒も美味しかったということももちろんありますが、こういうショーは往年のスターが懐かしのあの歌を!とかこの組み合わせでこんな歌を!とかのときめきをファンが愛でるものなので、共有した愛と歴史があればそれで充分なのでした。
 塩田先生のダンシング指揮も素晴らしく(宝塚歌劇での指揮はまだ十年で、95期と同期のつもりでいるそうです)、竹下さんの司会もそつがなく、あたたかな空気で心地良かったです。あ、客席のマダム率はすごかった、年齢層が高かった…! ワタルなんてそんなに昔のスターじゃないと思うんだけどな、私なんかまだまだひよっこでした。あと10年か20年はがんばらないと私もあの域にはいけないわ…!
 だからか、東京會舘は結婚式場でもあるのでその話題になったときに、出演者はあすか以外は独身なんだけれど、というか東京會舘が一度閉まるときのコンサートでリニューアル時にはここで挙式をなんて話題も出たのに、結局その後誰もお嫁に行っていませんねなんて話になって、私は今どきそれはたとえ女性同士の話題だとしてもセクハラですとか思わなくはなかったし、かつ正直その話がやや長く感じられたのですが、それでもなんとなく微笑ましく出演者の幸せを祈る方向性としての話題なのだとは理解できたのは、こういう客層だったからです。ま、でも、やっぱりでっかいお世話だろう、とは思いますけれどね。

 オープニングは全員で「ボンジュール宝塚」。途中「宝塚」が「東京會舘」の替え歌になるご愛敬アリ。
 一列に並んだら大空さんが最上手の下級生ポジションにいたので新鮮で笑っちゃったのですが、娘役ちゃんふたりを内に入れるためでもあったかもしれないけれどその後大空さんが怪我をしていてあまり歩き回れない旨が告げられたので、袖からあまり離れないですむようにしたのかなと心配になりました。見ている分には動きに不自由はなさそうでしたが、客席降りも、客席真ん中のお立ち台に来ることもありませんでした。「代わりに私が!」とえりたんが奥まで走ってくれていましたけど(><)。
 ワタルはサイドに赤いラインが入った黒のパンツスーツ、コムちゃんは華やかなブラウスに赤紫のパンツだったかな? 大空さんは金の飾りが入った黒の変わり燕尾みたいに見えるお洋服、えりたんは白のパンツスーツ。となみが白ドレス、あすかは赤かピンクのドレスだったかな。
 えりたんが『Shall We Dance?』から「change」を優しく歌えば一瞬でシャイなサラリーマンになり、大空さんが『ヴァレンチノ』から「アランチャ」をせつせつと歌えばオレンジ畑が見え、あすかが『スカーレット・ピンパーネル』から「あなたを見つめると」を歌えば遠くにパーシーの後ろ姿が浮かび、となみが『エリザベート』から「私だけに」を歌うと天空が広がりました。そして私はコムちゃんのトップ時代をほぼ観ていないのでなんの歌かわからなかったのですが「風のように」を歌いながらポケットに手を突っ込んだとき、お衣装は背広に化けました。さらにワタルは『王家に捧ぐ歌』より「エジプトは領地を広げている」、広がってるよ安泰だよ!
 ショーメドレーは大空さんの「Apasionado!!」から、えりたんの「EXCITER!!」、となみが「ミロワール」、あすかが「ダンディズム」、コム「レ・コラージュ」、そしてワタルの「コパカバーナ」でした。『NW!宙』を思い起こして泣きました…
 さらにデュエットはワタコムで「月夜の歌聲」、となみあすかの「夢アモール」(シトラス初舞台だもんね!)、大空さんビルにえりたんジョン卿の「愛が世界をまわらせる」!
 最近オペラ楽曲を勉強しているというとなみが「私のお父さん」、あすかが「夢にも思わなかった」、えりたんがレミゼの「The Cafe Song」、そして大空さんがライブなどで歌っているオリジナル曲の「いつかの歌のように」、コムちゃんが「ホワイト・クリスマス」、そしてワタルが超カッコ良く「All That Jazz」! 最後は客席参加で「きよしこの夜」、アンコールに再度「ボンジュール宝塚」でした。
 後半のお衣装は、ワタルがキラキラの黒スーツ、大空さんも珍しく黒のドレス、コムもグレーのドレスでえりたんはまたまたパンツだった…ことしか覚えていません、申し訳ない。ワタルの現役感は本当に素晴らしいなあ。そして大空さんはお茶会なんかでも未だスカートの下にパンツ履いたりしているので、ちゃんとしたドレス姿を初めて見た気がしました。前半はポニーテール、後半はアップにしていました。前髪がぱっつんでラブリーでした。
 ベルばら特出のときの小雨デュエダンの話やらも出て、のびのび楽しそうでよかったです。『どうぶつ会議』の初日はいつだったかな、早い全快をお祈りしています。
 宙組発足時の組子だったり、雪組や花組で一緒だったりトップコンビだったり同期だったり、みんな関わりがあったメンツで、楽しそうでよかったです。最後にとなみがワタルの腕に手をかけてエスコートされて出てきたのにもときめきました。宙組20周年記念の一環といってもいい企画だったかもしれませんね。たまにはこういう贅沢な催しに参加してみるのもいいなと思いました。幸せな年末になりました。



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