駒子の備忘録

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浅草九劇『I’ll Be Home For Christmas』

2020年12月14日 | 観劇記/タイトルあ行
 構成・演出/菅野こうめい、音楽/園田涼。

 沙央くらまの役名はなんだったんだろう…あとはタカユキ(Takayuki)とミミ(舞羽美海)、でしたよね? コマちゃんと実弟のTakayukiくんが夫婦役、ミミちゃんはコマちゃんの大学の後輩で、実はTakayukiくんの高校時代の恋人、という設定。それが久々に再会し、クリスマスにオンライン飲み会をすることになって…というような、小一時間のミニ・ミュージカルでした。贅沢にもピアノ(園田涼)とチェロ(グレイ理沙)つき。初めて行った劇場でしたが、あれがいつもの舞台の形なんでしょうか…角に、斜めに二面あるような感じで。工夫次第でいろいろ使えるような、おもしろい空間でした。
 客席の方は椅子と椅子の間隔を開けて、ビニールの衝立が置かれていました。先日の世田谷パブリックシアターで見たのと同じ衝立でしたが、今回の私の席からは真正面にまっすぐ舞台を観る感じだったし、小さなハコで照明設備もそんなにないのでビニールが光って目障りだとかのストレスもなく、観劇に問題はありませんでした。せたパブのは茶色の布で、前で端の席からは舞台の半分近くが見切れたので、早急にどうにかしていただきたいです。
 さて、お話は、昨日観た『そして春になった』にケッと思っていたところだったのですが、こちらは当の男性が透明化されることもなく、妻も黙っていただけで後輩が元カノであることは知っていたし、元カノの方も別に夫に未練があるとかはなくて今はむしろ先輩の方に懐いている、みたいな感じて、ほっこり円満にまとまる展開で、よかったです。夫婦の痴話喧嘩をうらやましがって元カノが暴れるくだりはあるのですが(ちょっと酒乱っぽいミミちゃんがめっかわでした!)、そこで単に「早くいい人見つけなさいよ」みたいな説教めいた台詞になるのではなく、結婚なんてしてもしなくてもいいんだから、みたいになるのが現代的でとてもよかったです。合間合間にちょいちょいクリスマス・ソングの歌唱が挟まれ、Takayukiくんはオペラ歌手とのことでしたがさすがの歌声でした。
 オンライン飲み会設定なので各役者の前にタブレットが置かれているんだけれど、それはカメラではないようで、カメラは別にあり、その映像が舞台情報に設置されたモニターにZoom画面っぽく写るのも今どきっぽかったです。タブレットには台本か楽譜が写っていたのかもしれません。
 ともあれ、クリスマス気分になれる、アットホームで楽しい舞台でした。


 ところで、地下鉄の浅草駅からはちょっと距離がある劇場で、つくばエクスプレスかな?の浅草駅が最寄り駅なんですね。私は地図さえあればわりとどこへでも行ける自信があるタイプなんですが、この混同に完全にパニクってしまい、タクシー代わりに人力車を使うという暴挙に出ました(笑)。ショートカットして人込みをすいすい進みつつ観光案内もしてくれたお兄さんには感謝です。人出は浅草にしては可愛いものでしたが、確かに少し戻っていましたね。そして終演後にテキトーに入ったテキトーな居酒屋の料理がすべてホントにテキトーで、何ひとつ美味しくなかったのがわりとけっこう衝撃的でした。そして別に安くもなかった…イヤいろいろ苦しいんだろうけど…あるいはこれでも客が入るのが観光地というものなのだろうけれど…残念すぎました。ちゃんとお金出してちゃんとしたお店に入ればよかったよ…(ToT)
 




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