駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

モーリス・ベジャール・バレエ団『魔笛』

2009年12月18日 | 観劇記/タイトルま行
 ゆうぽうと簡易保険ホール、2004年6月25日ソワレ。
 若き王子タミーノ(ドメニコ・レヴレ他。当日キャスト表をもらい損ねました)は夜の女王(エリザベット・ロス他)の王国へ入り込む。女王の娘パミーナ(クリスティーヌ・ブラン他)の肖像に恋をしたタミーノは、ザラストロ(ジュリアン・ファヴロー他)に囚われているパミーナを救い出すよう女王に命じられ、鳥刺し男パパゲーノ(ヴィクトル・ヒメネス他)とともに旅立つが…シカネーダー台本のモーツァルトの2幕のオペラをバレエ化、「二十世紀バレエ団」として1981年に初演したものの再演版。振付・演出/モーリス・ベジャール。使用音源はカール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の『魔笛』、ザラストロはフランツ・クラス、夜の女王にロバータ・ピータース。

 教養がないのならせめて予習をしていくべきでした…オペラのCDを聴いておいて物語のあらすじだけでも押さえておく、とかさ。せめて開演前にパンフレットを読む時間を作るんだったわ。
 なんの予備知識もないまま、普通のバレエを想定してボーッと舞台を見ていたので、最初のうちはバレエ音楽にしてはメリハリ具合や長さが奇妙だし、そのうちセリフが入ったり歌が入ったりし出すし(オペラ作品が元ネタでもオペラの歌曲がそのまま使われるのだとは思っていなかったので)、あげく字幕が出て舞台を見るのが疎かになるしであわあわしてしまいました。舞台の構成が読めないままに、モーツァルトのα波に飲まれそうになり、コクリコクリしたりする一瞬も…
 ルールがわかった第二幕の方は俄然おもしろく観ました。うーむ。

 たとえば西欧人ならたとえ物語を知らなくても歌詞を聞けば意味はわかるわけで、そういうハンデはやっぱり大きいですよねえ。そういうことをちゃんと学習で埋めてから見れば、もっと楽しめたはずでした。やあ失敗失敗。
 でも舞台としてはおもしろかったです、本当に。第一幕と第二幕で善悪が逆転する感じなんかもおもしろかった。有名な夜の女王のアリアだけは私も知っていましたし。オペラの歌曲をきれいにバレエ化していました。
 また、舞台装置などもシンボリックでシンメトリーを生かした作りで、今回二階席だったのですが、全体がよく見渡せて美しく、なかなか感銘を受けました。
 女好きな私と友人としては、女性舞踊手があまり美しく見えない衣装・振付だったのが不満でしたが、まあベジャールだからねえ…という感じ?
 クラシックなバレエ・ブランが好きな私ではありますが、こういうのもおもしろいな、と堪能したことでございました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 南Q太『ゆらゆら』 | トップ | 宝塚歌劇宙組『ファントム』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観劇記/タイトルま行」カテゴリの最新記事