駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

窪美澄『たおやかに輪を描いて』(中央公論新社)

2020年05月29日 | 乱読記/書名た行
 結婚20年、主夫・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。だが次々つきつけられる思いがけない家族の「真実」。大きな虚無を抱えた絵里子に再び命を吹き込むのは、整形した親友、乳癌を患った老婦、美しい風俗嬢…?

 読み始めたときにはしょっぱい話だなーという印象しかなかったのですが、意外や最後にはおもしろく読み終えてしまいました。ドリームともファンタジーとも言えてしまうかもしれませんが、連載されたのは「婦人公論」だし、勇気づけられた読者も多いのではないかなあ。ていねいな描写でリアリティを積み重ねていて、安易にご都合主義だとは言い切れない力強さがある作品になっていたと思いました。
 何作か読んだことがある作家さんだと記憶しているのですが、また気になったら作品を手にしてみたいと思います。

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