駒子の備忘録

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シャルロッテ・リンク『沈黙の果て』(創元推理文庫)全2巻

2016年02月07日 | 乱読記/書名た行
 ヨークシャーの古い屋敷で春の休暇を過ごしていた、夫婦三組と子供が三人のドイツ人グループ。夫たちの濃密な友人関係の下、時は流れていたが、ある日子供を含めた五人が惨殺したいとなって発見された。屋敷の相続権を主張し続けていた男が犯人なのか? ドイツの国民的作家が人間心理の闇を描いたベストセラー。

 あまり訳出された作品がないようで、初めて読んだ作家でしたが、おもしろかったです。流行の言葉でいえばいわゆる「いやミス」なんだろうけれど、屈託した人間関係をねちねち描いた描写がたまらなくスリリングで、ぐいぐい読ませました。
 文学性と大衆性のちょうどいいところにあるエンターテインメント文芸だなと思いました。ラストもいい。あと犬がいい。印象的でした。


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