駒子の備忘録

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『デイジー』~韓流侃々諤々リターンズ4

2020年05月24日 | 日記
 2006年、アンドリュー・ラウ監督。チョン・ジヒョン、チョン・ウソン。

 これまたどんな話か綺麗さっぱり忘れての再見でした。さすが『インファナル・アフェア』のアンドリュー・ラウ、さすが全編オランダ・ロケ、なんたるロマンチック、なんたるハードボイルド、なんたる異国情緒、なんたる美しさよ!
 そしてきっとサントラも買ったのだろうな、家のどこかにあるのだろうな、いいところで流れる主題歌はバッチリ覚えていましたよ、さすがすぎます…!
 キャラクターはすべて韓国人俳優さんたちで韓国人役ですが、彼ら彼女らが何故この国にいるのかは語られていません。なんならこの国がどこかも語られていません。ヨーロッパのどこかかな?とは思いますが、オーストラリアとかかもしれないしな、とも思う。カナダとかね。そういう「外国」での韓国人のお話を日本人の自分が見る…というエキゾチックさ、みたいなものはあるのかも、しれない。でも別にものすごく民族的な話とかではなくて、別にどこの国の人の、どこの国での話でもいいような、インターナショナルさもある。ただ、母国ではないということでファンタジックさが際立つ、という効果はあるのかもしれません。全体を大人のお伽話に見えさせる効果、というか。余白の多い物語でもあるし、「いやいや、ナイでしょ」って言っちゃったら終わり、みたいなところはあると思うので。
 でも、素直にその魔法にかかったら、ものすごく美しく、静謐で、繊細で、せつない夢が見られるのです…! 堪能しました。
 チョン・ジヒョンはもっときついメイクをした美人女優タイプの扱われ方で人気が出た人だと思いますが、おちついたナチュラルな芝居も上手いんだよ、ということを見せたかった映画なのかな、と思いました。カジュアルな、なんでもない服を着こなすスタイルの良さが浮かび出るんだよねえ…! あと、イ・ソンジェもホントいい俳優さんだってことは知っています。でも彼の似顔絵はわりとリアルに似ていて、チョン・ウソンのはちょっと少女漫画風味であまり似ていない…のは良くないぞ、と思いました(笑)。それで言うともちろん、チョン・ウソン演じる男がチョン・ジヒョン演じる女を描いた似顔絵が最も素晴らしいです。
 これはキャラクターや設定やあらすじなどを解説したくない作品です。みなさまにも機会があればぜひノーネタバレ、ノー予習で見ていただきたい、素敵な映画なのです。私もまた忘れるまで、大事にDVDを愛蔵し続け、また見たいと思います。




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