駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『ローマの休日』

2010年04月29日 | 観劇記/タイトルや・ら・わ行
 銀河劇場、2010年4月28日マチネ。

 1950年代、イタリア、ローマ、初夏の夜。とある理由から、シナリオライターとして活躍していたハリウッドを追われ、今はローまで新聞記者をしているジョー・ブラッドレー(吉田栄作)は、ベンチで眠りこけていた風変わりな娘と出会う。明日にはヨーロッパ各国を表敬訪問しているアン王女(朝海ひかる)の記者会見が控えていたが、朦朧としている彼女を放り出すわけにもいかず、面倒を見ることに。翌朝、親友のカメラマン、アーヴィング・ラドヴィッチ(小倉久寛)がやってくるが…オリジナル脚本/イアン・マクラレン・ハンター、ジョン・ダイトン、原作/ダルトン・トランボ、演出/マキノノゾミ、脚本/鈴木哲也、マキノノゾミ。1953年にアメリカで公開された映画『ローマの休日』をキャスト3人のストレート・プレイとして舞台化。

 キャラクターはとてもニンに合っていて、とてもよかったです。まあ3人しかいないんだからあたりまえのセレクションなんでしょうけれど。
 特にコムちゃんの姿勢の良さ、立居振舞の美しさはザッツ王女様。宝塚OGならこの程度のお行儀の良さは当然なのかもしれませんが、やはり名ダンサーたる彼女ゆえのものかしら、と思いました。
 カフェに座ってお茶したい、雨に濡れて歩いてみたい…ささやかな、けれど決して叶うことはないだろうと彼女自身が信じてしまっている夢を、声震わせながらとつとつと語るいじらしさには、思わず涙してしまいました。

 けれど、なあ…どうもこの劇場は遠いくせに上演時間の長い作品が多いというイメージがあって、今回も映画本編より長いし、冗長というほどではないにしろ、展開が悠長だなあと感じてしまいました。
 物語としてはほとんど誰もが知っている話だけに、さっさと進んでほしい、というじれったさを感じました。現代人がせっかちすぎるから?

 そして、よくできていたけれど、やっぱり、舞台ならではの良さがあったかと聞かれると、疑問なわけで…映画でいいんじゃない? 超えられていない、ちがう良さを持ったものにはなりえていない、かな…と思ってしまいました。
 企画としては、おもしろかったと思いますけれどね…やはり原作映画ができすぎているだけにね…
 たとえば同じ名作クラシック映画『カサブランカ』の宝塚歌劇団でのミュージカル化を考えると、あれはやはりミュージカルとしての強みがあったし、奇跡的に成立したものなのかなーと、身びいきにも(^^;)思ったり、しました…
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