駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『管理人/THE CARETAKER』

2022年11月26日 | 観劇記/タイトルか行
 紀伊國屋ホール、2022年11月24日18時半。

 ロンドンの廃屋のような部屋。そこへ、きちんとした身なりの青年アストン(入野自由)と宿無し老人デイヴィス(イッセー尾形)がやってくる。デイヴィスは住み込みで働いていたレストランをクビになり、偶然知り合ったアストンの厚意でこの部屋へ連れてきてもらったのだ。ふたりの会話はまったく噛み合わないが、デイヴィスはこれ幸いとこの部屋に居候することになる。だが翌朝、いきなり現れたアストンの弟ミック(木村達成)に不審者扱いされ…
 作/ハロルド・ピンター、翻訳/小田島創志、演出/小川絵梨子。1960年ロンドン初演、ピンターの名が広く知られるようになったきっかけの作品。全1幕。

 ピンターは『背信』(こちらこちら)『昔の日々』『温室』と観ていて、なかなかキャストのいい3人芝居に思えたし、出かけてみたのですが…「追いつめられた人間をめぐる不条理を、恐怖とユーモアのうちに描く独特の作風」が有名な作家なんだそうですが、うーん、そ、そうなのかな…? まあ少なくともこの舞台は、ぶっちゃけなんかワケわかりませんでした。
 くだくだウザい老人よりも、一見ちゃんとして見えた青年の方がなんだか怪しいというのが露わになっていき、その弟も乱暴そうに見えて実はまともそうで…と見えてやっぱりなんだか怪しくて…みたいに転がっていくお話、と言えば言えるのかもしれません。結局人は誰しも自分の居場所を確保すること、守ることに必死になり、そのためなら嘘もつくしなんでもするし…というようなことを描いているのかな、とは感じたのですけれど…まあでもやっぱりワケはわからなくて、こんな脈絡ない膨大な台詞を覚えさせられる俳優さんたってホントすごいなタイヘンだなー、とかが一番の感想でした。
 でも、オチは、ああこれがオチだ、とわかったんですよね。すごいな、作品って(笑)。
 今何故、この座組で上演を、というのはホント謎だし、私の中では若手イケメン役者枠のふたりが何故キャスティングされ何故受けたのかも謎でした。でもちゃんとしてるんだからホントすごいよなあ…でも、やっぱり謎でした。すみません。
 おもしろくなかったわけではないのですが…うぅーん、すみません。



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