作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv66905/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
1959 年のイギリス。夫を戦争で亡くした未亡人のフローレンス(エミリー・モーティマー)は、書店のない保守的な地方の町に、周囲の反発を受けながらも書店を開店する。
やがて彼女は、40 年以上も邸宅に引きこもり、ただ本を読むだけの日々を過ごしていた老紳士ブランディッシュ(ビル・ナイ)と出会う。読書に対する情熱を共有するブランディッシュに支えられ、書店を軌道に乗せるフローレンス。
だが、彼女を快く思わない地元の有力者ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が、彼女の書店を閉店に追い込もうと画策していた……。
=====ここまで。
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7日の夜の地震、久しぶりにびっくりしました。揺れが来る前に、変な地鳴り音がしたので、「これはヤバい、、、」と思った瞬間、強い突き上げが来ました。地鳴り音を聞いたのは、あの阪神大震災以来かも知れません。最大震度5強で、大きな被害はなかったですが、翌日は案の定、交通機関に影響が出て大混乱になっていました。この「何が何でも出勤!!」っていう日本の悪癖、何とかならんものでしょうか。私の利用している交通機関は平常と変わらなかったので良かったけれど、2時間遅れで出勤してきた人もいて、何だかなぁ、、、という感じでした。
とはいえ、こういうことが起きても淡々と日常にすぐ戻れるのは、地震国日本ならではでしょうね。大分前に、震度5か4くらいの地震がNYだったかであったときに、この世の終わりみたいな反応をしている現地の人たちをTVで見たことがあるけど、やはり慣れていない人にとってはもの凄い恐怖なんでしょうね。慣れていたって、震度5ともなれば怖いです。
さて、本作ですが。公開時に見に行こうかな~、と思いつつ、結局行かずじまいに。2019年公開だったのですね。昨年かと思っていましたが。時の経つのは早いものですねぇ。
◆本だってジャケ買いする。
本作中、なにより私が目を奪われたのは、フローレンスのお店に並べられた書物の装丁の美しさ。この映画のために作られたものばかりだそうだが、こんな書店が現実にあったら、しょっちゅう通ってしまって、読めもしないのにあれもこれもと買ってしまいそうだ。
レコードやCDにジャケ買いがあるように、本にもジャケ買いがある。表紙のデザインが素敵過ぎて、中身はあんましよく知らんけど買ってしまった、という本、いっぱい積読してある、、、。もちろん、絵本じゃなくてね。あ、絵本でもありますが。
……で、それをいうなら、映画だって、ジャケ買いならぬ、ポスター惚れ、ってのがあるよなぁ。監督やら出演者やらゼンゼン知らないけど、このポスター素敵、、、っていう理由だけで劇場まで行ってしまう。最近だと、『マーティン・エデン』(2019)、『異端の鳥』(2018)とかかな。ちょっと前になるが『ブランカニエベス』(2012)もチラシを一目見ただけで、絶対劇場で見たい!と思ったのだった、、、。そういう映画は、意外にハズレが少ない気がするなぁ。やっぱり、イメージ画像って、その映画の象徴だから(まぁ、外国映画の場合、日本の配給会社でゼンゼン違うのになっちゃったりもするが)、それで惹きつけられるってことは、作品にも相応の引力があると思われる。
だから、本も同じで、装丁がステキな本は、中身も良い、、、かというと、意外にこれがそうでもなかったりする。いや、中身が悪いという意味ではなくて、期待していた方向性じゃないとか、よく分からんかった、、、とかそんな感じ。でも、本の場合は、書棚に並べておくだけで目の保養になるから、ジャケ買いしたことはほぼ後悔しない。というか、買って後悔するような本は、多分、そもそも買わない。センサーが働かないから。
とにかく、本作の見どころの一つは、フローレンスのお店に並ぶ本そのものであります。
◆個人書店の悲哀
愛する亡き夫が読書家で本が好きだった、、、という動機で、書店のない田舎町に書店を開こうとするフローレンスの、しなやかでしたたかなところが良い。金儲けが好きなガマート(すごい名前!)夫人の陰に陽にの嫌がらせも、風に揺れる柳のようにやり過ごす。これが余計にガマート夫人の癪に障る。
ガマート夫人は容赦ない。カネとコネにモノを言わせて、“芸術センター設立”という自分の欲求を実現すべくブルドーザーの如くフローレンスの店に襲いかかってくる。さすがの柳フローレンスも太刀打ちできずに、あえなく撤退となる。
ここに至るまでに、ビル・ナイ演ずるブランディッシュ氏とフローレンスの間に切ないやりとりがある。ブランディッシュ氏の求めに応じて、フローレンスが何冊か本を送り、、、で2人の間には信頼関係が築かれ、ブランディッシュ氏がフローレンスを自身の屋敷に招待するなどして、互いに信頼感以上の感情を抱くようになる。ガマート夫人の悪辣ぶりも知っているブランディッシュは、いよいよ崖っぷちに追いやられたフローレンスを助けようと、ガマート夫人宅へ乗り込むが決裂、その帰り道で倒れて帰らぬ人となってしまう。
私は、ブランディッシュ氏がウルトラCを繰り出して、ガマート夫人を粉砕し、フローレンスの店を守る、、、のかな? 等とチラッと思ったが、そうではなかった。ブランディッシュ氏も実は資産家のようだし、何十年も引きこもって本ばかり読んでいるくらいの読書好きなんだから、せっかく出来たステキな書店を守るべく一肌脱ぐ、、、っていうのもアリかと思ったが、オハナシは極めて現実路線だった。
あと、実は、ガマート夫人は昔ブランディッシュ氏のことが好きだったが、ブランディッシュ氏に相手にされなかった過去がある、、、とかかな、ともチラッと思ったがそれも違ったみたい。ブランディッシュがガマート夫人と直接対決するシーンで、そういうセリフが出て来るかと思って見ていたけど、出てこなかったもんね。まあ、そういうのがあると、ちょっと俗っぽくなって、本作の趣旨から外れちゃうか、、、と、一応納得はしたけど。そういう展開があっても面白いじゃん、と思ったり。だって、若い頃のブランディッシュ、相当ステキな青年だったはずだもんね。
まあ、結局、ブランディッシュの行動も功を奏さず、フローレンスの店は差し押さえられてしまう。今の現実と同じで、個人の書店はやっぱり非力でした、映画の中でも。
~~以下、結末に触れています。~~
◆本で知るその人となり。
ブランディッシュ氏のフローレンスへの注文は、「ノンフィクションは善人について、フィクションは悪人について書かれたものが読みたい」というもので、これに対してフローレンスが送る本のうちの一冊がブラッドベリの『華氏451』。このタイトルを見て、何となく結末を予感してしまったら、ラストは本当にフローレンスの店が燃えるシーンで終わる。それ以外にも、フローレンスと、お店を手伝いに来てくれる少女クリスティーンが、ストーブの取り扱いについて会話しているシーンがあり、これで、展開はほぼ確信した。……というか、本作を見た人誰もが予感しただろうと思う。
ブランディッシュは『華氏451』をたいそう気に入って、ブラッドベリの本だけ送ってくれ、などと言うようになる。
ブランディッシュ氏とフローレンスの間に、本を介して信頼関係が出来ていくという展開がとっても良いな~、と思って見ていた。何を読むか、どんな本を好むか、ってのは、かなりその人となりを現すもので、あまりハズレがないと言って良いと思うから。読んで感動する本を送ってくれた人を好きになっちゃうのって、すごく自然だと思うわ。んで、自分が選んだ本を気に入ってくれた人を好きになっちゃうのも、これまたすごく自然だと思う。
大昔に、ちょっとイイな、と思っていた男性が村上春樹を愛読していると知って、一気に興味がなくなった記憶があるけど、そういうもんじゃない? 読書とか文学とかって。どうでもいいけど、毎年、ノーベルウィークになるとハルキーのことで騒ぐの、やめて欲しいわ。あれ、本人も嫌だと思うよ。
とにかく、本作ではビル・ナイが最高にステキだった。ブランディッシュが亡くなった後、彼が次に読みたいと言っていた『たんぽぽのお酒』を胸にフローレンスが号泣するシーンが、とてもとても切なく、私も泣けてきた。書物を通じて生まれた大人の優しい愛情、、、なんて素敵なんだ。
本作ではナレーションが入るんだけど、そのナレーションが、大人になったクリスティーンという設定。しかも、それはラストシーンで分かるという仕掛けになっている。老いたクリスティーンは書店を経営している様子。フローレンスの思いは、クリスティーンがしっかり受け継いでいたのね。このナレーションを担当していたのは、トリュフォーの映画『華氏451』に出演していたジュリー・クリスティー。もちろん、これは監督が意図したものだそうです。
映画“Dandelion Wine”見たいぞ~~。
地震、御無事でよかったです。
でも、まだ油断は大敵ですね。
充分お気を付け下さいね。
昔、気になってた男性が村上春樹うんぬんで笑ってしまいました(⌒▽⌒)
そうそう、わかりますわー❗️
と言っても私は、全然読書家でもないんですが。笑
でも、私も結構その人が普段どんなものを好んで読んでるのかは気になります。
なので、自分の本棚とかも人に見られるのは結構抵抗感ありです。
あと、電車内とかでカバーせずに読んでる人みると逆に尊敬してしまいます。(・∀・)
人んちの本棚見るのが好きです、すみません。
もちろん、許可を得てから見せていただきます(^^)
でも「見せて」と言われると断れませんよね、、、。
いますよね、カバー付けないで電車とかで本読んでいる人。
むか~し、電車内で30前後の男性が、赤地に白抜きででっかく「恋愛力」ってタイトル書いてある本を読んでいて、内心「キミ、色恋をそうやってロジカルに攻めようとしている時点でダメだよ」と思いながら、もちろん見ていないふりをしていました^^;
彼はその後、あの本を読んだ成果があったのかな~。
地震のニュースにはびっくりしました!ご無事でよかった!でも日本に住んでるかぎり、安心できないですよね~…
村上春樹センセイとか好きな人って、すごい意識高い系ってイメージ。大昔に付き合ってた男の部屋に行ったら、ヒトラーの「我が闘争」とかあってドン引きした記憶が。まあ、私んちの本棚にだって「戦後死刑囚列伝」とか、この人大丈夫なの?と心配されちゃいそうな本ばっかありますけど(^^♪読書の秋したいです📚
ホントに、日本に住んでいる限り、どこであれ、地震の恐怖からは逃れられませんね、、、。
たけ子さんも備えをして、お気をつけくださいね。
「我が闘争」私の本棚にもありまっせ!! 上巻しか読んでないけど(すごい読みにくい)
ドン引きされちゃうでしょうか、、、しょぼーん(..)
ウチの人は、私の書棚を見て「またヘンな本が増えてる」と言ってよく笑っています。
今は、小説キャンディ・キャンディFINAL STORYを再読しております。前読んでからあまりにも日が経っているのでほぼ初読に近いです^^;
いずれ記事にしたいと思っておりますが、、、いつになるやら。
ビル・ナイ、最初に「ラブ・アクチュアリー」で見た時は変なおじさんと思ったけれど、その後見るたびに気に入っちゃって。
ブラッドベリーは高校生の頃夢中になって、「タンポポのお酒」も読んだけどもう内容を覚えていない。
ナレーションがジュリー・クリスティーとは、きっとこの映画の監督はブラッドベリー・ファンなんでしょうね。
自分がどんな本を読んでいるか、人に知られるのは恥ずかしいけど、同じような本が好きとわかると相手への親近感がぐっと湧きますね。
すねこすりさんの本棚が見てみたい。
分かります分かります! ビル・ナイ、私も見る度にお気に入り度アップです♪
枯れた感じながらもビミョーにセクシーさもあり、飄々とした感じが素敵です。
この映画でも一際魅力的でした。
私がフローレンスだったら間違いなくブランディッシュ氏のこと好きになっちゃいますね(≧∇≦)
たんぽぽのお酒、未読なので、読んでみたいです。
そうなんです、この映画でさりげなくフォーカスされる本のセレクトがセンス良いな〜と感じました。監督のセンスみたいです。
人の本棚を見るのは楽しいけど、自分の本棚を見られるのは恥ずかしい(^^;
Luntaさんの本棚、迷宮の予感…。見たい〜〜!