9月11日
一ノ関から仙台まで新幹線で移動、駅で友人ご夫妻にピックアップしてもらい、青根温泉までおしゃべりしながら快適ドライブ。お世話になりました。
やってきたのは2年前にも来た青根温泉の「不忘閣」。
めでたく「日本秘湯を守る会」の6冊目のスタンプ帳がいっぱいになったので、今回は無料ご招待をお願いした次第。この3年間は海外に出られなかったおかげで、スタンプがすごい勢いで集まったのだ。
前回は100段の階段を上り下りしなければならない部屋だったが、今回はラッキーにも1階にある部屋をゲット。
おかげでお風呂も食事も移動が楽だったが、お庭に面したいささか古いお部屋、入るとカビ臭さが鼻を突き、虫が多いためだろうか、窓に網戸がなくて開け放つことができない。
しかも2年前とほぼ同じ日付けでやってきたが、前回とはまったく違う残暑。エアコンとエアフィルターをフル稼働させることになり、上下どちらの部屋がいいかは悩ましい所。
落ち着いたら、まずは初訪問の友人と共に館内の見学。 いささか雑然とした湯上りどころだけれど
フェアトレードのコーヒーのパッケージがかわいく、なにやら賞を取ったらしい日本酒は友人がおかわりするほどおいしかったらしい。
この部屋や大湯、御殿湯のある本館の建物は明治40年に建てられた登録有形文化財。
庭の向こうに青根御殿がそびえ、その向かいにあるのが今回泊まる西別館。外から見るとかなりくたびれているのがわかる。
部屋に戻ろうとフロントの前を通ると、 お、貸切蔵湯の札があるではないか。
というわけで、この宿での第一湯は昼でも暗い蔵の間を抜けて一番奥へ。
美しく照明された蔵湯、昼には高い窓から自然光も入って一段と素敵だ。 続いてはもちろん大湯に入らねば。
このプールのような浴槽もうっとりする。
食事は本館の二階、レトロな応接セットのあるスペースの隣の部屋で。
偶然にも前回と全く同じ部屋になった。
まずは先付けのイチジク豆腐がとてもおいしくて、
酢の物が大根に巻かれたサンマなのもうれしい。
前回感動したお凌ぎのおそばがやっぱりすごくおいしくて
焼き物は意外にも大きな米ナスのグラタン。茶わん蒸しにアサリが入っているのも珍しく、牛肉の陶板焼きもいただいたらもう動けないほどお腹いっぱい。
しかしこちらのお食事は同じ時期でも前回とは違う内容、相変わらずどの料理もとてもおいしかった。
庭から見る古い建物は夜も美しい。
9月12日
夜、満腹すぎて温泉に入れなかったので、朝食前に朝風呂。 大湯の向かいにある御殿湯も小さいけれど落ち着くお湯だ。
その手前にある小さな貸切の亥之輔の湯、前回は入らなかったが今回は入ってみると
背をかがめて入る浴室の脱衣スペースは頭をぶつけそうなほど狭いが、石造りの浴槽は深くて、意外に入り心地がいい。二人でも入れるが、ここは一人でゆっくり瞑想するのがいいかも。
ちなみにこの宿のもう1ヶ所のお風呂、新湯は現在改装中で、その上の建物もなにやら工事を始めていた。あるいは部屋も新しくするのかもしれない、次はどうなるのか、ぜひ見てみたいもの。
昨晩と同じ部屋で朝食をいただいたら、前回も参加した青根御殿の見学へ。
毎日のことだからか、相変わらずそっけない女将の案内だが
今回はわずかながら仙台市まで見えて、解説が終わった後の女将は愛想も良くなる。
お風呂も食事もいい不忘閣、新湯の改装が終わったらまた来よう。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
今年も海外旅行の合間(?)に飽きもせず温泉に出向いているが、おなじみ「大人の休日俱楽部パス」にはタイミングが合わず未使用。それが9月にネット限定企画があって、ようやく使う機会ができた。
9月10日
今回はまず「はやぶさ」君で仙台まで、「やまびこ」に乗り換えて一ノ関へ。 お昼は「いわて牛のミートパイ」になったが、これは東京駅で買ったもの。グランスタはますます充実して、どこになにがあるやら。
降り立った一ノ関駅はピカチュウだらけ。
一ノ関から気仙沼まで走るポケモン列車はもう10年も運行しているのだそうだ。
駅前からはバスに乗るが、ちょっとぐずぐずしていたらバス停にはもう長い列ができていてあせる。
目指す須川温泉行きバスは大きいけれど、満席になって座れない人も。ただし半分以上は途中の厳美渓で降りて、それでもかなりの人数が須川温泉まで行く。
終点までは1時間半。山道を登って来たけれど、どんより曇った須川温泉に降り立つと期待したほど涼しくない。
早速秘湯のスタンプ帳を預けてチェックイン。
こちら須川高原温泉に泊まるのは9年ぶりだが3回目。
過去の2回は自炊部の部屋だったが、今回は初めて旅館部のお部屋。
とはいえ簡素な部屋は流しがトイレに変わったぐらいで印象に大きな変化はなく、ただし今回はお着き菓子が付いた。
一息入れた所でさあ、温泉だ。
まずは県境をまたいでお隣の栗駒山荘へ。
前回、10月の頭に来た時にはこのまわりは息をのむような紅葉だったが、1ヶ月早いとはいえ今年はここも暑く、周辺の緑にはまだ「こ」の字も見当たらない。
日曜の4時過ぎでお客さんの減り始めた栗駒山荘の白濁露天を楽しんだら、その足で我が宿の大露天へ。 こちらは幸運にも無人でお風呂を独占。
お湯が青く見えるのはペンキのせい、硫黄の香りが栗駒山荘より強く匂うが、この日はお湯を入れ替えたばかりなのか、湯の花もほとんど見えないほどに透明。大きな浴槽内は38℃ほどのぬるめで、やっぱりこのお風呂は最高だ。
食事は6時から大食堂で。
内容は初めて来た時と大差ないが、後から運ばれてきた夏野菜の天ぷらがおいしい。 寝る前に入った内湯も今日は透明、夜は窓を開けて布団をかぶって寝た。
9月11日
昨日のどんよりした曇り空が今日はなんとか晴れてくれた。 大露天の上の空も今日は高い。
ビュッフェの朝食をゆっくりいただいたが、一日2本しかないバスの出発は11時と遅い。
そこでチェックアウト前にちょっとお散歩へ。
露天の横、緑色に染まったお湯の流れに沿って少し行くと須川温泉の源泉。
さらに5分ほど登山道を上ると蒸し風呂がある。
中は小部屋に仕切られて、床の真ん中のレンガをどけると穴から蒸気が噴き出してくる。
露天の受け付けでゴザを借りてくることになっているが、この部屋にこもるだけでサウナのように効くだろう。
さらに行くときれいに苔むしたところもあって
その先が名残が原。
正面に見えるはずの栗駒山は雲の中、剣岳の手前には噴煙が上がっているのが見える。
この辺りは春にはたくさん花が見られる所だそうで、
この時期にもリンドウやススキが見られるが、秋の花はやっぱりちょっと寂しい。
次は初夏の花の時期に来なければ。 引き返して宿に戻るが、正面に見えるはずの鳥海山も今日は見えない。
チェックアウトをしたら稲庭うどんが山と積もれた売店で
須川温泉らーめんをお土産に。 さらに素朴なアイスクリームをいただいているうちに時間になったので外に出ると
バス停には既に行列ができていた。
出発時点ですでに満席、立っている人も出て、なんとか席を確保できて助かった。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
日本橋に続いては地方から上京の知人とランチ。
ご希望は中東料理、渋谷の店は店内のインテリアは雰囲気たっぷりだけれど料理の内容に比べてお値段高すぎ、神田の店は昔一度行ったことがあるけれどあまり感心した記憶がないので、銀座へご案内。
外堀通りの一つ線路側、小さな三角公園と東急プラザの間の道をしばらく行くと右手に看板が見えて、急階段を上がった2階に目指す店はある。
Mish Mish
階段はあるし、扉の中は全く見えなくて、これは知らなければ非常に入りにくいお店。
しかしあまり大きくない店内は窓はないがすっきりとして、中東風の飾りつけもほとんどなし。ただ店のモニターにあちら方面のミュージックビデオや紹介フィルムが音なしで流されている。
3人なので昼だけれどアラカルトメニューから注文。 おなじみフムス、ムタバル、ラブネなどの前菜プレート。特にムタバルの味付けがいい。
大好きなファラフェル。これはもうちょっと大きい方が中がホクホクになって好きかも。
シーフード・タジンは予想に反してタジン鍋ではなくプレートで出て来たが、クミンの効いたソースがとてもおいしくて、これは大当たり。
チキンケバブも柔らかくて、ヨーグルトとスパイスの具合もばっちり。うまい!
このお店、開店したばかりの10年ほど前、店長の知り合いの旅仲間と来たことがあった。
中東料理屋はすぐに消えてしまう店が多い中、この立地でよくぞ長生きしてくれていると思う。
一般にはなじみがなくてなかなか定着しないが、中東料理は香辛料が香り高いわりに穏やかな味で絶対に日本人受けすると思う。
ケバブ屋だけではなく、もっと本格的な中東料理の店が増えてほしい。
さて、地中海沿岸で唯一行っていないレバノンにはいつ行こうか。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
所要ででかけたついで、珍しく日本橋方面へ。
やってきたのは威風堂々たる姿の三井本館、その隣の三井タワーから入る三井記念美術館。
三菱一号館美術館には何度も行っているが、三井の方に来るのは初めて。
吹き抜けのアトリウムから入ると通路が本館に繋がっていて、エレベーターの扉や回数表示板もレトロで素敵。
7階で降りると2匹の鹿に迎えられ、本日拝見するのは「超絶技巧、未来へ!」展。
超絶技巧と言えば江戸末期から明治の職人たちが有名だが、今回の展示は「未来へ」というタイトルの通り、現代の、それも30代などとても若い作家さんたちの作品が中心。
ほとんどの作品は撮影不可だが、所々に撮影OKの表示があって、SNSでの拡散を狙っているとはいえ、こちらも記録ができてありがたい。
最初に驚いたのがこちらの木彫り。
チョウチョの羽は自然色のままの木を組み合わせ、水滴も彫りだしているというからすごい。
こちらの月下美人の花は鹿角を彫ったもの。花器に水を注ぐとこの花がゆっくりと開くそうで、その様を見てみたい。 このスルメはなんと、継ぎ目のない一木造り。スルメを吊るすクリップまで一緒に彫られている。
菊の彫り物が置かれている茶室は元三井家所有の織田有楽斎の国宝「如庵」の複製とか。
陶磁作品も凝りまくっていて
これは細かいリングを繋いで袋状にしたもの。気が遠くなりそうなリングの数。
ガラス作品も粘菌が宙に浮いているよう。
この大きな犬は銅でできているが、体が蝶で覆われている。 何の変哲もなさそうな薄汚れた工具箱はなんと漆器。持ち上げると思わぬ軽さに驚く仕掛けらしい。
現代作家さんたちの作品は確かに超絶技巧だが、それ以上にその発想が面白くて、洒落が効いたものが多い。
展示の後半は明治期の工芸品で、これらももちろんすごい技術なのだが、現在の目で見ると技巧が先走ってToo muchと感じてしまう。
これが時代感覚の違いと言うものだろうか。
かわいかったのはこの鳩の家族。
他に刺繍作品にも素晴らしいものがあるが、それらは作家の名前も残っていない。
楽しい展示に期待以上に満足して三井本館を出ると時間はお昼をまわった所。
食事をしようと思ったが、良さげなところは近所のサラリーマン、OLさんたちが行列を作っている。
そんな中、コレド室町の地下で気になるもの発見。
黄金モンブランソフトは真ん中がソフトクリームで栗は目の前で絞り出してくれる。
小さな店の奥のカウンターでいただいたが、これ一つでおなかは満たされた。
たまに来る日本橋も楽しい。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
7月14日 続き
トビリシからおいしい機内食を食べながら3時間。 海辺に並ぶ豪華そうな建物群を見ながらドーハ到着。
さて、次の東京行きまでは9時間もある。豪華なラウンジが使えると言えどもじっとしているには長すぎるので、往路にも使ったビジネス専用入国審査場を使ってまたカタール入国。
ちなみにツアーでこんなことをするのは友人と二人だけ。
到着ロビーからはあったりなかったりするサインを頼りに長い連絡通路を通り
ドーハメトロの駅へ。
利用者は少なく、閑散としたエレベーターやエスカレーターを使って地下に降りると
ピカピカの通路の先に券売機があって、フィリピン人らしき女性スタッフが早速説明に来てくれる。
往復するだけなので普通切符が買いたかったのだが、そのためにはICカードを買う必要があり、一等のゴールドクラブに乗ろうとするとカード代が100QR(約4000円)もかかるというので一日券30QRに変更。スタンダードなら1日券でも6QRなのに、とスタッフはあきれ顔だが、クレジットカードでさっと買えた。 自動改札を通ってホームに降りると乗降口はドア付き。
一番端にゴールドクラブ専用の乗り口があり、ここにも女性スタッフがいて切符をチェックする。
そして実はこれが乗りたくてわざわざストップオーバーしたドーハメトロのゴールド座席。
1席づつひじ掛けが付いて地下鉄とは思えない豪華さ。
そして日本の近畿車両製というこのメトロは自動運転方式なので
先頭の2席は線路の見える特別席。スタッフのお姉さん、「ここに座ったら」とわざわざすすめてくれて「写真撮りましょうか」とまで言ってくれるサービスぶり。
まあ、わざわざこの車両に乗るのは物好きな観光客ぐらいだろう、この後も家族連れが一組乗って来ただけだった。
現在のドーハメトロは3路線で、今回乗ったのは空港のあるレッドライン。
早朝から深夜まで運転しているが、金曜の午前中は運転しないようなので要注意。 これに乗ること25分、DECC駅で下車。
駅の外へ出てみると、ここはビジネス街の真ん中で周りは超高層ビルだらけ。
が、驚いたのは外の気温と湿度。時間は夜の7時近かったが、気温は体温越え、それ以上に湿度が100%だろうというほどベタベタ。往路の乾燥っぷりとはまったく違うのは場所の関係なのか、日によって違うのか。
駅のすぐ隣には駅名にもなっているDECCという巨大なコンベンションセンター。
その向かいにこれまた巨大なシティセンターモールがあるが、広ーい駐車場の中を通って入り口にたどり着くだけで全身汗びっしょり。
冷房のない時代にもこの土地に人が住んでいたのが信じられない思い。
巨大ではあるがモールの中はどこも一緒。 フードコートの中もマックやKFCと代り映えなく、今はもちろん寿司屋もあるが
「出来立て」とはなんぞや、とケースを覗いてみると怪しげなキャラクターパンが並んでいた。
大きなドーム天井の下は子供のための遊び場。 ざっと見たら1階のカルフールに行って
大好きなデーツ入りクッキーのマームールとカルダモン入りのアラビックコーヒーをお買い上げ。マームールは珍しいクウェート産だったけれどおいしかった。
スーパーの袋をぶら下げてまたメトロのゴールドクラブに乗り、
無事に涼しい空港に帰還。
それでもまだ出発まで5時間以上あるので、ラウンジは往路に使ったクマの近くではなく、モノレールに乗って行くガーデンラウンジに行ってみた。
するとここは入り口がわかりずらくて、ルイヴィトンのロゴばかりが目立つがカタール航空のスタッフがその前にいるので行ってみるとこれが正解。 エレベーターで上に上がる。
と、目の前にはルイヴィトンの免税店の上階のレストラン入口。が、ここはもちろん別料金で、ちらりと見たメニューが恐ろしい金額だったのですぐに離れる。
この両脇がカタール航空のラウンジで
ここもまたむちゃくちゃ広い。
しかし外に出て汗だくになったのでまずはシャワールームへ直行。
受付のお姉さんに番号をもらい、たくさん並ぶブースの一つに入ると、中はそれほど広くない。
しかしお湯はたっぷり出てタオルもフカフカ、着替えができてやっとほっとした。
安楽椅子の並ぶエリアには軽食類も置かれているが、 この下は誰でも入れるガーデンエリア、周りにはお店が並んで大きな電飾看板もあり、音も反響してあまり落ち着かない。静かに過ごしたければもっと奥まった所にあるクワイエット・ルームに行った方が良さそう。
しかしこちらはそろそろお腹が空いてきたのでダイニングエリアへ。
ここではオーダーでサラダやお寿司もお願いできるけれど、やっぱり中東料理、とビュッフェから羊肉の煮込みをもらったら、これがとろけるようなお肉でものすごくおいしい。
さらにたくさん並ぶケーキがおいしそうなので一つもらったらこれがまた絶品。思わずもう一つ、友人とシェアして食べてしまったが、ここのケーキは本当に素晴らしい。
と、噂にたがわぬカタール航空のラウンジを5時間も堪能させていただき、 午前2時過ぎにやっと飛行機に乗り込んで成田に戻った。
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