映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

母という名の女(2017年)

2019-02-20 | 【は】



 上記リンクからあらすじのコピペです。

=====ここから。

 メキシコのリゾート地、バジャルタ。

 クララ(ホアナ・ラレキ)とヴァレリア(アナ・ヴァレリア・ベセリル)の姉妹は、海辺の家に2人で暮らしていた。17歳のヴァレリアが妊娠したため、姉のクララは離れて暮らす母、アブリル(エマ・スアレス)を電話で呼び寄せる。お腹の子の父親は、クララが経営する印刷所でアルバイトしていた17歳の少年、マテオ(エンリケ・アリソン)だった。

 やって来たアブリルは、クララやマテオと会話を重ね、ヴァレリアの不安を和らげるように接する。アブリルに不信感を抱いていたヴァレリアも、その様子を見て徐々に信用し始める。

 やがて生まれたヴァレリアの娘は、“カレン”と名付けられるが、ヴァレリアに代わってカレンの世話をするうち、アブリルは独占欲を芽生えさせてゆく。カレンを自分の管理下に置こうとするアブリルに、反発を強めるヴァレリア。娘との関係が悪化する中、ついにアブリルは、深い欲望を忠実に遂行する……。

=====ここまで。

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 昨夏、公開されたときに劇場に行きそびれ、ようやっとDVDで見た次第。想像していたのとゼンゼン違う内容で唖然、、、。


◆サイテーな鑑賞後感

 見終わった直後に思ったことは、「何かイヤなもん見ちゃったなぁ~、ウゲゲェ、、、」でありました。

 何がイヤかって、母親が、娘の恋人と、、、ってのもキモいけど、とにかく、この映画に出てくる人みんな、ゲスなんだよね、ホントに。母親としてとか女としてとか以前に、人間としてどうかというレベルの話で。母親だけじゃない、娘も、その恋人も、父親も、みんな。こんな腐った人々の織りなす物語だから、何というか、キョーレツな腐臭を放っているのも不思議ではないけど。……それにしても、という感じ。

 この作品のキャッチコピー「母性などない。あるのは欲望だけ―― 隣にいるのは母ではなく、女という怪物だった……」ってのも、ちょっといただけないよなぁ。“母性”って、母親の話になると、すぐに使われる言葉だけど、安易だよねぇ。

 ……だったら、どうして劇場に見に行こうと思ったのか、というと、もっと違う内容を想像していたからであります。私が想像していたのは、娘に嫉妬した母親が、良き母親を装って娘の人生を間接的に支配しようとする、娘の意思をことごとく邪魔するようなことをする、そういう陰湿な“怪物”ぶりを見せる話なのかと思っていたのです。

 でも、このアブリルは違う。このオバハンは、怪物なんかじゃない、ただのケダモノ。怪物ってある意味褒め言葉だと思うのよ。凡人には太刀打ちできない知能犯的な感じがあるというか。

 母親が娘に嫉妬するということは、普通に見られる現象だと思うけれども、その反動で、娘の男に手を出してセックスまでする関係になるってのは、ないとは言わないが、かなり稀だろう。まだ、実の母息子の近親相姦の方がありそうな気がする(根拠はありません、ただの勘)。どうしてそこまで稀かと思うかというと、娘の男が拒絶反応を示すだろうと思うから。母親が仮にその気になっても。少なくとも私が男なら、そんな状況、反吐が出ると思うから。

 そういう意味で、この娘の婚約者も、相当のゲスであります。いくら、自分の娘カレンをアブリルに盗られたからと言って、ヴァレリアをほっぽり出してアブリルに着いていくなんて、頭オカシイんじゃないか、としか思えない。

 本作の原題は、“Las hijas de Abril ”で、アブリルの娘という意味だから、まあ、ヴァレリアのことだろう。姉のクララもアブリルの娘だけど。つまり、本作の真の主役は、ヴァレリアのはずだが、このヴァレリアも相当のゲスである。どうゲスなのかは、もう書く気にもならんので、興味のある方はこの映画をご覧ください。

 まあ、ゲス度でいうと、ダントツはアブリルだろうけどね。娘の男と寝たからじゃありませんよ、念のため。終盤にアブリルがとった行動が、ゲスの極みだからです。

 
◆分かりやす過ぎて、、、

 しかし、この監督ミシェル・フランコという人は、何でこんなイヤな映画を撮ったんだろうか。彼の経歴を見ると、「陰湿極まりないイジメで自分の娘を傷つけた少年たちに凄惨な復讐をする父親を描いた『父の秘密』(12)で、第65回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門グランプリに輝き」とある。

 家族の抱える闇を描く作品は、私は基本的に好きだけど、本作に関しては、まったくダメだった。

 どうしてこんなに拒絶感を抱くのか考えてみた。そして至った結論は、「あまりにも分かりやす過ぎる話だから」ということ。

 家族の抱える闇を描くというのは、見る人によっては、今一つピンとこないという人が必ずいるものではなかろうか。人間はそれぞれ育ってきた環境がみんな違う。だから、誰もが“これは問題だ!”という家族というのは、描くのが難しいと思う。そして、仮に、問題を認識できても、家族間でその問題を解決できないことが理解できない人が一定数いるものだ。

 しかし、本作の場合は、多分、99%の人がオカシイと認識するだろう。それくらい、明らかにオカシイ話なのである。そして、本作は、終わりまでに、ある意味、問題を解決できている。そんなに簡単に解決できるものではないのが、本来の家族の抱える闇なのだ。

 つまり、本作は、家族の抱える闇とか何とか、そんなメンドクサイ話じゃなくて、ただの頭のオカシイ人たちの狂ったオハナシでしかない、ということ。だから私の期待していた内容と乖離がありすぎて、ダメだったのだろう、、、と思うに至った。

 それでも、本作を撮った監督の意図というか、動機というか、それは分からないままだ。本作を好きな方には申し訳ないが、一見それなりの顔をした作品だけど、実際は、底の浅いイヤミスみたいな映画だな、というのが正直な感想であります。








この監督の他の作品も、ある意味、興味ある。




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2 コメント

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Unknown (フキン)
2019-02-21 20:22:57
すねこすりさーん!
お帰りなさいませー!!

この映画の公開時にちょっと気になっていた作品でした。
「父の秘密」の監督だったんですね。
父の秘密も陰湿で暗い映画でしたよね。
っていますか、カンヌ映画祭のある視点部門て、なんか暗い作品が受賞していますよね。いつも。

「天才作家の妻」を私も見ましたよ。
感想はほぼすねこすりさんと同じなのですが
あの夫婦が私生活で低レベルの夫婦だったんじゃないか?と言う解釈は笑いました!

確かに、あの夫のどこにそんな魅力があるのか…私もずっと首をかしげながら観てたんですが。
まぁ、作品を面白くするための色づけだったんでしょうけどね。
そらにしても、あの若いカメラマンの女性とどこまでするつもりだったんでしょうね?笑
元気すぎるやろ!爆笑
そら心臓発作で死にますね 笑

私天才作家の妻を見る前に「ともしび」を見たんですがあの作品に目を凝らしすぎて午後からのこの作品の中盤、15分ぐらい寝てしまいました。

インドのおとこまえ、いましたか?笑笑
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Unknown (すねこすり)
2019-02-22 23:21:36
フキンさん、こんばんは☆
帰って来たはいいけど、楽しかったのはあっという間で、ポケ〜っとしています。
…あ、ポケ〜っとしてるのはいつものことか。
それはともかく。フキンさんも目を付けていらしたのですね、この映画。
私は『父の秘密』は見てないのですが、この映画見て、ある意味興味が湧いたので見たいと思っています。
ホント、ある視点部門って、暗いの多いですよね。
天才作家の妻、あの夫はただのスケベ爺ィなんで、あわよくば…だったに違いないです。
むしろ、あのカメラマンのお姉ちゃんの方が信じられん! と思いました。
私も十分オバサンでくたびれていますが、いくらノーベル賞作家でもヨボヨボの肉体の爺さんとキスしたりセックスしたりなんて、もう生理的にあり得ません。衛生的にどーなの、と思っちゃうというか。ましてや、彼女は若いのに、なんであんな小汚い爺さんと…。ウゲゲ、、、って感じで見てました。
私はただただ、ひっそりと枯れて行きたいです。
ともしび! 私も見たかったんですが、スケジュール的に厳しそうで諦めかけています。シャーロット様はいかがでしたか?
インドのオトコマエ、、、すれ違いもしませんでした!! みんなチョー愛想良いですけどね(^^)
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