映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ドラマの脚本、これでいいのか? ~NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』を見終えて~ ①

2022-04-14 | ドラマ

公式HP⇒https://www.nhk.or.jp/comecome/

 

 2021年11月1日から始まった、通称“朝ドラ”105作目(だそうです)の『カムカムエヴリバディ』(以下「カムカム」)が、先日4月8日に終わりました。脚本は、同じく朝ドラ『ちりとてちん』(2007後半)や大河ドラマ『平清盛』(2012)等を書いている藤本有紀さん。ドラマ好きなら、ほとんどの人は知っているお名前です。

 藤本さんは、私も好きな(というか尊敬する)脚本家のお一人で、『ちりとてちん』も数少ないちゃんと見た朝ドラの一つです。

 ……なんだけど、今回、その藤本さんの脚本に、ドラマ終盤で大変ガッカリし、最終話放映後数日経つ今も信じられない思いでいるのです。もちろん「カムカム」の展開に大いに疑問を抱く部分があったからです。

 尊敬していただけに、余計にガッカリ度が大きかったのかも知れません。私にとって「カムカム」は、ドラマの脚本の在り方について、根本的に考えさせられるドラマとなりました。

 このモヤモヤ感は到底収まりそうにないので、記事に書き留めておこうと思うに至りました。

 ちなみに、私は、五十嵐文四郎のファンなので、“文ちゃん”の良き画像をいっぱい貼ってしまいます。普段の記事ではほぼ画像は貼らないのですが、ドラマ内で貶められた五十嵐の汚名を雪ぐため、、、いえ、私の自己満足のために貼っております

~~以下「カムカム」好きな方、藤本さんのファンの方、等々、お読みにならない方が良いかもしれません。もちろん悪意はありませんが、人によってはただの“悪口”にしか思えないでしょうから。~~


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◆「カムカム」にハマる

 朝ドラは、ほぼ見ていないが、ごくたまにツボる作品がある。

 「カムカム」も、初回から欠かさず見ていたわけではなく、2代目ヒロイン“るい編”の初期から見始めて、以後、毎日欠かさず(録画して)見るように。毎日見るようになったきっかけは、舞台が戦後の昭和で、ややレトロな雰囲気と、セット(美術)のセンスの良さ、深津絵里演ずるヒロイン・るいの心の声がすごく可愛かった、、、等々。そして、何と言っても、脚本が藤本さんだからこの先も見よう、という気になった。

 ……とはいえ、ハマったというほどではなく、録画したのを見てさっさと消去していたのだった。

 が。るいの娘が3代目ヒロインとなる“ひなた編”が2月に入って始まった直後から、まさに大ハマり。

 理由は簡単。ひなたの恋のお相手“五十嵐”がツボだったから。ツンデレに弱い私にとって、本郷奏多くん演ずる五十嵐文四郎は、どストライクなキャラ。それだけではなく、ひなたとの恋模様が実に“可愛かった”のだ。若いってええのぉ……(遠い目)と思いながら、五十嵐登場後、録画を消去することはなくなり、レコーダーのHDDにどんどん溜まって容量が減る減る、、、。

 

 

2人の出会いのシーン ~~ひなたの家(回転焼き屋)に焼き立ての回転焼きを“1個”買いに来た無愛想な男~~

 

 

条映映画村での2人 ~~回転焼きを買いに来たいけ好かない客は大部屋俳優・五十嵐だった。「オレはアラカンの50倍だ!」~~

 

 

なぜか一緒に映画を見に行く2人 ~~五十嵐が受けるオーディションを前に成り行きで昔の時代劇映画を見に行くことに~~

 

  

映画を見て怖気づく五十嵐 ~~あまりの凄い殺陣を見て「オレにあんな殺陣できるのかな」と弱音を吐く五十嵐に渇を入れるひなた~~

 

 

オーディションを明日に控える五十嵐に回転焼きを焼いてあげたいひなた ~~一生懸命焼く練習したんだけど言い出せなくて……~~

 

オーディションには受からなかったけど役をもらえた五十嵐 ~~「役名がある!セリフがある!!」「読み合わせ手伝う!毎日道場行くわ!」~~

 

 

稽古に集中できない五十嵐 ~~「毎日道場行くわ!」って言っていたひなたがゼンゼン来ない! ~~

 

 

やっと会えたひなたを抱きしめる五十嵐 ~~「何なんだよ、お前。毎日顔見せろ。寂しいだろ、ばか」 ~~

 

 こうして、2人は相思相愛になり、、、五十嵐が“文ちゃん”になり……

 

 

 さらには、ひなたとお別れしても、私は録画を消さなかった。消せなかった。

 

 

役をもらえぬままの文ちゃんはお化け屋敷で落ち武者に…… ~~「1秒でも長く文ちゃんと一緒にいたい!」「大部屋のままじゃダメなんだ」 ~~

 

 

文ちゃんは俳優を辞める決意を ~~「一緒に東京帰ってほしい。一番大事なのは叶わない夢なんかじゃなくひなたなんだ」~~
~~「アタシを夢を諦める言い訳にせんといて」「明るくてバカなひなたが大好きだ!でももう傷つきたくない。ひなたはオレには眩しすぎる」~~

 

 ……ここまでは良かったのに。悲しい別れだけど、これも人生、、、。そう思える展開だった。でも、きっと文ちゃんagainの日が来る!と確信していた。だって、これだけの尺をとって描いた、ヒロインにとって重要人物。ドラマの脚本として、これっきりはあり得ない。

 たとえ、この2人が結婚と言うありきたりな流れにならないにしても、互いにかけがえのない存在にならなければ、ここまで描いてきた意味がない。 


◆私、怒ってます 

 もちろん、文ちゃんagainの日は来た。けれども、再登場後の文ちゃんの描かれ方は、私にはまったく解せないものだった(再登場後の五十嵐の画像はありません)。

 ひなたと別れて約10年が経っているという設定。文ちゃんは、大部屋俳優を辞めて東京へ戻り、お父さんの会社で働いていたものの、2年でそこも辞めて渡米。ハリウッドで苦労しながらも、アジア人でアクションができる俳優ということでポジションを得、アクション監督のアシスタントとなっていた、、、。

 で、「サムライベースボール」なるハリウッド資本の映画を撮影するに当たり、文ちゃんは古巣の条映撮影所に米国側スタッフの一人として凱旋帰国したわけだ。そこで、ひなたと再会する。

 ……まぁ、この設定の是非は良い。そういうことも、そりゃあるだろう、という感じ。

 まず、2人が再会したのは、条映の道場なのだが、突然現れた文ちゃんに、ひなたは「え、もしかしてアクション監督って……?」と驚くのだが、そこで文ちゃんは「オレだよ。まぁ、正確にはアシスタントだけど」と答える。私は、この文ちゃんのセリフでいきなりカウンターを喰らった気分だった。

 だって、アシスタントでしょ? 監督じゃねーやん。何が「オレだよ」だよ。

 その後、アメリカへ渡った理由を自分語りする文ちゃん。「オヤジの会社は元々うまくいってて、、、(中略)もっと広い世界があるのに何やってるだろうって。自分がバカに思えた。だから2年で辞めてアメリカに行った」

 ひなたのことをゼンゼン聞こうとしない文ちゃん。この辺で、あり~?となったが、文ちゃんファンとしては脳内補正がまだ辛うじて効いていた。あんなボロボロの姿を最後に見せていたひなた相手に、頑張ってカッコつけてんだねー、、、ぇ?? と。

 その後、条映の道場で、日本人のオーディションを行うのだが、そこで殺陣を付ける監督アシスタントの文ちゃん、オーディションを受けに来た大部屋俳優さんに「緊張しないで、いつも通り!」とか上から目線のアドバイスをする。この辺で、私はかなり気持ち的に脱落していた。文ちゃん、こんな子やなかったはず、、、。10年の間に成長せんかったんかい!!と。

 極めつけは、退場シーン。オーディションも終わり、明日アメリカへ帰るという文ちゃんは、ひなたに「今夜2人で飲まないか?」と言って意味深な誘い方をする。珍しく化粧などして、着る服も迷っておめかししたひなたがバーに現れる。既に来ていた文ちゃんとカウンターに座って会話するのだが、、、。

 ここで、文ちゃん、「今のオレがあるのはひなたのおかげだよ。これで決心した! オレ、結婚するよ!」とひなたに正面切って宣言するのである。おそるおそる「誰と?」と聞くひなたに、文ちゃん、明るく「デイジーと!!!」(デイジーってのは、米国側スタッフの女性)

 ……マジで、ドリフのコントかと思いましたヨ、私は!!!!!

 このシーンが、五十嵐の実質的な最終シーンとなったのだ。これが退場シーンよ?? あり得ん。

 正直、この回を見た直後は、ショックで頭が真っ白に。……で、しばらくして、猛然と怒りが湧いて来た。ハッキリ言って、最終話が放映されて1週間経つ今も、怒りは続いております。もちろん、怒りの矛先は、五十嵐ではなく、脚本ですよ、脚本。

 

 

 その②につづく

 


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