映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

トッド・ソロンズの子犬物語(2015年)

2022-04-08 | 【と】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv74944/


以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 アメリカ中をあちこち彷徨うことになる1匹のダックスフント。

 その旅の最初、病弱な子どもとその母親(ジュリー・デルピー)に引き取られるが、無邪気に問題ばかり起こし、たちまち多くの人々の手に渡ることに。

 崖っぷちに立たされた映画学校の講師兼脚本家(ダニー・デヴィート)、偏屈な老女(エレン・バースティン)、そして大人になってもいまだに自分のやりたいことが見つからないドーン・ウィーナー(グレタ・ガーウィグ)……。

 そんな飼い主たちは、ままならない人生を送りながらも、どこか妙なおかしみを抱えていた……。

=====ここまで。

 
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 確か、某全国紙で誰かが紹介していた記事を読んで、レンタルリストに入れたのだと思われます(うっすら記憶にある)。が、記事の内容はまるで覚えていなかったので、予備知識はほぼゼロで見たと言って良いでしょう。

 ……子犬物語というタイトルから受けるほのぼのな印象と、実際の中身はかなり乖離しております。


◆ラストが、、、グェッ。。

 子犬物語、っていうけど、このダックスフントは子犬なのか? 成犬に見えたんだけど。小さい犬……なら「小犬」とするだろうしなぁ。原題は“WIENER-DOG”でただのダックスフントだわね。邦題をつける人、大丈夫か?

 ともあれ、本作のこの妙な空気感、最初はちょっと??となるが、すぐ慣れる。で、気付いたら、結構喰い付いて見ておりました、、、ごーん。

 犬は狂言回し的存在で、犬と出会う人たちの抱える問題が描かれる、というありがちな構成で、ほぼ4話のオムニバスと言っても良い。出てくる人たちがみんなクセのある人ばかりで、面白い、、、というと語弊があるが、目が離せない。

 4話、どの飼い主も印象的なんだけど、一番インパクト強かったのは、やっぱし4話目の老女ナナ(エレン・バースティン)かなぁ。彼女は末期がんで、このダックスフントにも“キャンサー”なんて名前をつけている。部屋の中でもでっかい真っ黒なサングラスをずーっとかけている。滅多に顔を見せない孫娘が来たと思えば、いかにもなアート系彼氏ファンタジー(彼氏の名前です)のために金をくれと。するとこのナナさん、めっちゃ不機嫌そうな顔しながら、金額空欄の小切手をホイと孫娘に渡しちゃう。

 そこからラストへがビックリな展開で。

~~以下、結末に触れています。~~

 金さえもらえれば後は、、、とばかりに去っていく孫娘とファンタジー。ナナさんは何を思うか、庭へ出てうたた寝すると、過去のあの時選択しなかった少女の姿をした自分が何人も現れる。ハッとして目が覚めたナナさん、キャンサーがいないことに気付き、サングラスを外して探し回るのだが、何とキャンサーは家から出て、前の通りを渡ろうとしているではないか! ナナさん、慌てて追いかけようとしたところへ、トラックが走ってきて容赦なくキャンサーを、、、。

 もろ、映るんですよ、その瞬間が。しかもその後も2台くらい轢かれちゃう。いやぁ、、、ギョッとした。

 さらに驚きのオチがあるんだけど、まあ、書くのはやめておきます。人によっては、ちょっと悪趣味と受け止めるかも。私はあんまし、、、必要なオチではないような気がしたかな。言いたいことは分からなくもないけど。


◆何気に豪華キャスト。

 1話目に出てくる男の子の母親が、どっかで見たなぁ、、、と思ってよく見れば、なんとあのジュリー・デルピー。ええ~~!っていうくらい、どすこい体形になっていてビックリ。だって、これ撮ったとき、まだ40代半ばでしょ? ビノシュもだけど、フランスの女優さんは太るの平気なんですかね?

 彼女の演じたお母さんは、ダックスフントが病気になって悲しんでいる男の子に、慰めになっていない酷いことを優しく笑顔で言うという、、、そらねーだろ的な母親を演じている。

 2話目に出てくるちょっとヤバそうなお姉さんはグレタ・ガーウィグ。彼女が演じるドーンという女性は、ソロンズ監督の前作にも出てくるキャラみたいで、前作では死んだことになっているらしい。ヤク中の男ブランドンとのちょっとしたロードムービー風。ブランドンを演じているのがキーラン・カルキン。マコーレー・カルキンの弟たちも俳優だったとは知らんかった。

 3話目のおじさん、シュメルツの話もかなりブラック。1発屋の脚本家で、大学で教えている(多分非常勤)けど生徒たちには馬鹿にされている、、、という、なかなか見ていて辛いキャラ。脚本をエージェントに送っても相手にされず、挙句、仕事もクビを言い渡される。大学では、生徒たちが自分の悪口を言っているのを聞いてしまい、シュメルツさん、ブチ切れて、ダックスフントに爆弾巻き付けて大学に放つという暴挙に出る。

 ……てな感じで、どこが“子犬物語”やねん、というようなブラックなお話で、細かい部分の描写もイチイチ皮肉が効いている。ソロンズ監督作は初めて見るのだけど、これは確かにミニシアターでないと上映できない作品ばかり撮っているというのも頷ける。

 話が進むごとに、主役の年齢が上がっていき、ラストはワンコの轢死、、、という、生あるものの定めを描いている、ってことなのかしらね。

 まあ、あんまし心が弱っているときには見ない方が良いかも、、、だけど、私は嫌いじゃないです。

 

 

 

 

 

 

 


90分足らずの作品なのに、インターミッションがあります。

 

 

 

 

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