映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

翔んで埼玉(2019年)

2021-01-10 | 【と】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv65057/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです(青字は筆者加筆)。

=====ここから。

 埼玉から東京へ向かう車のラジオでは、DJが埼玉にまつわる都市伝説を語っている。

 埼玉県民が東京都民から迫害を受けていた時代。東京の超名門校に通う都知事の息子・百美(二階堂ふみ)はアメリカ帰りの転校生・麗(GACKT)と出会う。実は麗は隠れ埼玉県人で埼玉県民が東京に出入りするのに必要な手形の撤廃を目指して活動する組織の主要メンバーだった。

=====ここまで。


☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆


◆ダサイたま、クサイたま、、、、

 公開時に話題になっていて、職場の人も見に行って「面白かった~!」と言っていたが、わざわざ劇場まで行く気には到底なれず、このほどようやくDVDにて鑑賞。原作はもちろん未読。魔夜峰央にこんな作品があったことすら知らなかった(大分古い作品みたいだけれど)。

 ……く、くだらねぇ、、、、ってのが、見終わっての率直な感想です、ハイ。が、この実にくだらない、ナンセンスなものを、皆が大真面目にやっていて、むしろ見応えがあったと言えましょう。

 でも、本作の見どころは、ほとんどそれに尽きると言いますか、、、。これ、関東圏以外の人が見ても面白いんですかね? てか、関東圏に住んでいる人間が見ても、それほど笑えるところは多くなかったんですが。

 たしかに、「埼玉」というと、ちょっとダサいという“イメージ”はリアルに一般化しています。現在、緊急事態宣言が発出されている、“首都圏”のうち、ダサくないのは神奈川だけかも。千葉も埼玉と大して変わらない扱いで、それは本作内でも伊勢谷友介演ずる阿久津翔が「千葉解放戦線」率いる千葉代表で出て来ていましたが。

 ここまで突き抜けて戯画化しちゃうと、埼玉県人も笑えるでしょうね。伊勢谷率いる千葉との対決は、それこそ「川中島の戦い」みたいで、まあまあ面白かったし。あれ、CGじゃなくてロケしたんですかね? かなり大掛かりなシーンになっていたんだが、、、。


◆埼玉はカナダ。

 本作を見ていて思い出したのが、清水義範著『蕎麦ときしめん』。本作同様、地域性をネタにしているんだが、清水氏は名古屋出身で、名古屋をディスっていて、私は名古屋出身ではないけど、元愛知県人としては、結構笑える。

 中でも、一番ウケたところをちょっとご紹介しておこう。

「名古屋は日本の中にあって信じられないほど閉鎖的な特別な村落的都会なのである。(中略)/日本における名古屋の位置、それは世界における日本の位置と全く同質のものである。名古屋人にとって東京とは、日本人が漠然とアメリカを思うのに非常に近い。大阪はソ連である。千葉はメキシコで、埼玉はカナダである。名古屋人はそのように考えて生活しているのである。/(中略)名古屋人にとって(中略)四国はオーストラリアで九州はアフリカである。名古屋人はそのように名古屋以外の土地を外国だと思っているのだ。」

 これは一理あって、少なくとも私が住んでいた1990年代頃は、まだこういう側面はあったような気がする。「大阪はソ連」てのはちょっと違う気がするが、これが書かれたのは1984年だから、まだソ連があったんだよね。ちなみに『蕎麦ときしめん』の文庫版の「果たし状」と題された解説に代わる文章は、今は亡き、景山民夫が書いていて、時代を感じる、、、。

 本作では東京が過剰に威張っていたが、リアルで言えば、実は一番ダサいかも知れず、、、。何しろ、地方出身者が山のように居るんだから。つまり、東京は言ってみれば“人種のるつぼ”。人種のるつぼは、世界で言えば、まさにアメリカで、『蕎麦ときしめん』でいう名古屋人の認識のママではないか!

 埼玉は、名古屋人から見れば、ダサイたま、、、どころか外国ですよ、外国。しかもカナダ! 十分ダサくないと思いますが、いかがでしょう。


◆ダサイたまよりダサいのは、、、

 映画と関係ないことばかり書いてしまったけれど、本作は、あんまし色々感想を書きたくなる映画じゃなかったもので。ナハハ、、、と乾いた笑いが出て終わりだった。

 そんな本作が、昨年の日本アカデミー賞で最優秀監督賞とか最優秀脚本賞とかをもらっているみたいなんだが、これが今の邦画界の現状を如実に表わしているようで、乾いた笑いの後には、ひきつった笑いが浮かぶわ。

 だいたい、日本アカデミー賞、ってネーミングが、、、。こっちの方が、埼玉よりも百倍ダサい。邦画界を本気で盛り上げて育てたいのなら、まずはネーミングから変えた方がいいんじゃない?? アメリカの二番煎じみたいなことやってるから(しかも業界人だけの内輪はしゃぎレベル)、いつまで経っても邦画界は幼稚なんだろうね、、、、納得。

 

 

 

 

 

 

 

 

京本政樹、歳とらないなぁ~~。
 

 

 


 ★★ランキング参加中★★


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひとよ(2019年) | トップ | 評決(1982年) »

コメントを投稿

【と】」カテゴリの最新記事