映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

シュガーベイビー(1984年)

2014-11-11 | 【し】



 アラフォーの肥満&干物女マリアンネ。が、ある日、地下鉄の運転手に一目惚れ。毎日が一変する!! 幸せな2週間を過ごすが、彼には気の強い妻がいた、、、嗚呼。

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 本作は、中野京子氏の著書「恐怖と愛の映画102」(文藝春秋)に紹介されていて、前々から見たかったのだけど、残念ながらツタヤのレンタルにはなく、amazonでDVDを購入するか否か、長年逡巡していたのであった。何しろ、私はあの『バグダッド・カフェ』がダメなクチだったんで、同じ監督&主演女優って、大丈夫なのか、と心配だったのよ。

 でも、中野さんの文章は非常に素晴らしく(他の作品の紹介も、どれどれ見てみたい、と思わせるものばかり)、やはりここは、中野さんの文章を信じて買ってしまえ! と、清水の舞台から飛び降りるつもりでゲットした次第。だって、3,000円以上するんだもん、ハズレだったら高すぎる・・・。

 というわけで、見てみました。が、これはアタリだったかも。少なくともハズレではなかった!

 まぁ、、、本作は、なんつっても、とにかく、マリアンネに尽きる。凄いんだよ、彼女。まあ、お世辞にも「キレイ」とか「カワイイ」とか言ってあげられないルックスで、おまけに身なりも構わないわ、私生活もベッドで食事してそのまま眠りこけるわ、で、ある意味、“ただ生きている”状態なわけ。

 でも、自分よりかなり若くてイケメンの地下鉄の運転手さんに一目惚れしたことで、彼女は、まさしく“生きている女”になるのだ! 彼が自分のことを知らなくてもヘーキ。とにかく、彼のことを調べるために仕事も長期休暇を取って休み、調べまくる。この様はまさにストーカー。でも、ゼンゼン深刻さはなく、むしろ、笑いながら見てしまう。もう、とにかく“可笑しい”のよ、彼女。

 相手が振り向いてくれる保証もないのに、ダブルベッドは買うわ、セクシーランジェリーはオーダーメイドするわ、、、。そこかい! 痩せるんが先ちゃうんか! と突っ込みを入れつつ、彼女の暴走ぶりを楽しく見てしまう。

 で、いよいよ、イケメンに相対することに! このイケメン、彼女が自分のことを嗅ぎ回っていたと知っても、別にビビらないのだ。そして、ダブルベッドにイン!! それから、2人のめくるめく2週間が始まる次第(イケメンの奥さんは葬式で2週間不在なのね、その間を狙って彼女は彼に声を掛けたわけ。すげ~~)

 まあ、正直、ちょっとどうかと思う半面、元気になれるのも確か。ここまで自分に正直に猛進できるなんてアッパレでしょう。そりゃ、現実にこれやったら犯罪だけれど、これは映画。こういうのはアリだと思う。

 そして、ヒロインが、おデブちゃんなのがミソ。彼女、顔が不細工なわけではないのだけれど、いかんせん、あの体形。でも、だからこそ、本作は成立するのね。だって、やや不細工程度のフツーの体形の女じゃ、むしろ本当のストーカー映画になっちゃって、ただ怖いだけだもんね。彼女はそういう意味で、コメディーを体現できる、存在感ある女優さんということ。

 途中、マリアンネとイケメンが、ダブルベッドで彼女の身の上話をするというシーンがもの凄い長回しであるのだけど、このシーンや、二人で湯船に入りながら彼の仕事の話をするシーンは、結構グッとくる。彼女のルックスとは裏腹の笑えない過去や孤独感がひしひしと伝わってくるからかな・・・。

 ラストは、ハッキリ言ってヒジョーに痛い・・・。なにも、あんな決着のつけ方させなくても、、、監督も残酷だなぁ、、、と思っちゃうけれど、まあ、あの後彼女はどうなったのか。もしかして、イケメンが運転手として初めて経験する“あれ”が、彼女の“それ”かも、、、なんてサイアクな想像してみたりして。

 ・・・いや、彼女はそんな選択しないよな、多分。しないでほしい、もちろん。だって、彼女は2週間で本当に“生きる”ってことを実感したのだから。


「私、生きてる~」って最近いつ思いましたか?




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