映画 ご(誤)鑑賞日記

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シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018年)

2019-07-25 | 【し】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv67534/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 2年前からうつ病を患い、会社を退職して引きこもりがちな生活を送っているベルトラン(マチュー・アマルリック)。子供たちからは軽蔑され、義姉夫婦からも嫌味を言われる毎日をなんとかしたいと思っていたある日、地元の公営プールで「男子シンクロナイズド・スイミング」のメンバー募集を目にする。すぐさま惹きつけられたベルトランはチーム入りを決意。

 だが、そのメンバーは、妻と母親に捨てられた怒りっぽいロラン(ギョーム・カネ)、事業に失敗し自己嫌悪に陥るマルキュス(ブノワ・ポールヴールド)、ミュージシャンになる夢を諦めきれないシモン(ジャン=ユーグ・アングラード)、内気で女性経験のないティエリー(フィリップ・カトリーヌ)など皆、家庭や仕事、将来になにかしらの不安を抱えた悩めるミドルエイジ集団であった。

 元シンクロ選手のコーチ、デルフィーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)のもと、様々なトラブルに見舞われながらもトレーニングに励むベルトランたち。そんな彼らは無謀にも、世界選手権で金メダルを目指すことになる……。

=====ここまで。

 スウェーデンに実在する男性のシンクロ(今はアーティスティックスイミング=AS)チームの話が元ネタとのこと。

 

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◆笑えない。

 男性シンクロ映画といえば、日本にはあの『ウォーターボーイズ』がある。TVでのオンエアをながら見したことしかないけど、なかなか面白かった。まあ、あれは高校生のフレッシュな男子たちの青春映画なんで、見た後には爽快感を味わえるのが良い。

 引き換え、本作は、見た後に爽快感は、、、正直言ってナイ。あるのは、多少の達成感とやるせなさ、、、だった、私の場合。

 人生の山あり谷ありを経験してメタボ体型になったオッサンたちが、そのたるんだ裸を晒してシンクロを“やり遂げた!”というドラマを見せられても、若い子たちによる同じストーリーのドラマとはゼンゼン違って、ひたすらイタいのよ。イタいってのは、普通はちょっと蔑むニュアンスがあるけれども、そうじゃなくて、本当に胸に痛みを感じるというか。

 ただでさえ疲れているのに、40年だか50年生きてきて初めて挑戦するシンクロでさらに疲弊するオッサンたち。これが若者たちなら、シンクロのトレーニングの厳しさを通して、現実に立ち向かう!みたいな希望が持てるオチになるけれども、オッサンたちの場合、そんな現実は骨身に沁みているわけで、今さら感も半端ない。

 そういう、“どうしようもなさ”を描きながら、一応コメディのようで、笑いも多少狙っているっぽいのだけど、私にはあんまし笑えなかった。多分、20年前に本作を見ていたら、笑えたかも知れない。メタボ体型で必死にシンクロやってるオッサンたちの姿は、それだけ見れば十分笑える材料だから。だけれど、世間の不条理や人生のままならなさをある程度味わった身としては、人生の悲哀に打ちひしがれながらも何とか自分を保って必死になっているオッサンたちを、どこか嘲笑しているみたいな感じを受けてしまって、素直にガハハと笑えなかった。

 偉そうにふんぞり返っているメタボなオッサンたちが、シンクロやらせてみたらお話にならなくて、みんなに笑われている、、、っていう図式なら素直に笑えたんだろうけどね。

 『フル・モンティ』と比べられているみたいだけど、『フル・モンティ』の方が突き抜けていて明るかったような気がするなぁ。もう大分忘れているから違うかもだけど。久しぶりに見てみようかな。今見ると、また受け止め方が違ってくるかも知れないし。

 でも、本作は本国フランスで大ヒットだったというから、きっと本作を見て励まされた人も多いということなんだろう。嘲笑するために映画を見に行く物好きもそうはいないだろうから。日本ではイマイチ当たっていないみたいだけれど。

 

◆男子シンクロって、、、

 本題とは関係ないんだけど、終盤、男子ASの世界選手権のシーンがある。ここで出てくる男子ASが実に素晴らしくて、これをほんの少しだったけれども見られたのが良かった。

 正直、元々私はシンクロという競技自体があんまし好きじゃない。女性たちがハイレグ水着で水面から脚をにょっきり出して広げたり閉じたりしている様は、あんまし見ていてステキ、、、と思えなかった。ヘンな競技だなぁ、、、と。ちょっと同じ女性として恥ずかしいというのもあったかな。何で水の中であんなことやってるわけ??みたいな不思議さもあったし。まあ、水中だからああいう動きが出来るんだけど。

 でも、今回、本作に出ていた男子のグループによるシンクロは、まさにスポーツって感じで、カッコ良かったんだよねぇ。女子のシンクロは、化粧もケバケバしく無理に作った笑顔を見せて、どこぞの国のマスゲームみたいな印象に近いというか、ちょっとスポーツとは言い難いと感じていた。けれど、男子のシンクロは、格好がそもそもシンプルで、動きも女子のシンクロより力強い。女子にはしなやかさみたいなものを感じるが、男子は全体に直線的な印象。速さも感じたし。すごくパワフルで、正直言って男子シンクロに対するイメージがガラッと変わったといっても良いくらい。

 この男子ASの世界選手権ってホントにあるのかしらね? ネットでちょっと調べてみたんだけど分からなかった。女子と男子のペアなんてのはあるらしいが、個人的には、男子のチームによるシンクロの方が断然見たいわ。すね毛だらけの脚が水面からにょきにょき出て、見るに耐えるのか??と思っていたけど、どーしてどーして。私の浅はかな思い込みでありました。

 マチュー・アマルリックは情けないオジサンを好演。まあ、世界選手権で優勝(!!)してちょっと自信を回復して良かったね、、、というエンディングだったけれど、現実はそんなに甘くないからね。彼のその後は、やっぱり心配だわ。

 オッサンたちをスパルタ指導するトレーナーのアマンダが、セクハラ&パワハラやり放題で凄かった。オッサンたちに「このブタ~!」とか「何やってんだおいぼれ~~!!」とかもっとヒドいことも一杯言っていた。あんまりヒドいからオッサンたちにプールに投げ込まれるんだが、足が不自由で車椅子に乗っているアマンダを投げ込むのもいかがなものか、、、と、この辺もあんまし笑えなかった要因かな。

 ……と、色々書いてきたけど、他愛ないオハナシで、別に見て不快になる映画ではありません。念のため。

 

 

 

 

同じスウェーデンの男性シンクロをモデルにしたイギリス映画も公開されるらしい。

 

 

 

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