「文久元年記録帳」を読む ２２

散歩道のオイランソウ

「文久元年記録帳」の解読を続ける。

四月十六日昼より、また頭痛致す。十七日泰山見立、薬弐丁。
十八日見立、薬弐丁。十九日見立、薬弐丁。廿三日見立、薬弐丁。
廿四日見立、薬弐丁。廿五日見立、薬弐丁。廿七日慶才見立、薬弐丁。
殊の外、米高直に付印す。金壱両に付、弐斗六升位。小売壱升代、
弐百七十弐文売り。白米一升三百文売り。又引上げ、三百八文売り。
廿八日泰山様見立、薬はつ三服、松三服。
五月朔日泰山様見立、薬弐丁。二日、薬弐丁。三日見立、薬弐丁。
四日見立。五日見立、薬弐丁。七日見立、薬弐丁。
八日慶才様見立、薬三丁。九日同人見立。十日見立、薬三丁。
十一日見立。十二日見立、薬三丁。十三日見立、薬三丁。十四日慶才様見立。

九日町内日待入用、五合、五十文、締め九十四文払う。
十六日見立、薬三丁。十八日見立、薬三丁。廿日見立、薬三丁。
廿一日見立。廿二見立。同京才様見立、弐人立ち会い。
又須々木、奥山、廿一日御頼み三人へ見立。須々木薬弐服。
泰山様、薬壱服。廿三日須々木見立、薬三丁。京才様
見立、弐人立ち合い。廿五日京才様見立。廿六日泰山様見立。
須々木薬五服。廿七日須々木見立。廿九日慶才様見立。

閏五月朔日京才様見立、薬三丁。四日同見立。
四日慶才様見立。須々木見立。六日京才様見立。
七日慶才様見立。十一日泰山様見立、薬三丁。
十二日かそのかんの薬百文にて壱服。十四日泰山様見立、薬三丁。
かそのかんの薬百文。同夜泰山様にて、上薬代金凡壱分弐朱位。
十五日見立。十六日京才様見立。十七日夜に入り
おたけ風邪にて泰山見立、薬弐丁。セメン少し。
十八日京才様、泰山様見立、おたけ分一場にて薬。
又庄内、松田様西尾へ参り候に付、見立御頼み申し候。その節、慶才様
見立薬弐。十九日京才様見立。廿日京才様見立。

段々大病に相成り、大便、小便通じ申さず。慶才様御頼み
鉄炮にてみつを入れ申し候所、早速通じあり。又夜に入り、五っ時分
※ 鉄砲にてみつ ➜ 鉄砲は浣腸の道具。蜂蜜が効いたようだ。
慶才様御頼み見立、丸薬少し。外にセメンヱン少し。夜四っ時分に相成り、
両便共に通じ、ゑむし七筋下り。また廿一日慶才様
※ ゑむし ➜ 回虫のこと。
見立、丸薬少し。セメンヱン、松、おた、おいちへ三人分御貰い用う。
また夜に入り見立、下し丸薬少し。夜四っ時分下る。ゑむし六筋出る。
またセメンヱン百文分、寿薬屋にて買い用う。廿二日朝慶才様見立。
京才様見立。夜、慶才様見立、小便丸薬少し。廿三日慶才様見立、
小便下し粉薬少し。夜泰山様見立、薬壱丁。

（つづく）

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