goo

北山本門寺の題目杉

(題目杉の一本)

北山本門寺正面の仁王門に「本門寺根源」と金文字で書かれた扁額が掲げられていた。これが正式の寺名だという。仁王門を潜って左手に進んだ緑地に「題目杉」と呼ばれる巨杉群がある。題目の文字数7本植えられたものが、現在三本残っている。北山本門寺には「巨木巡礼」の旅で10年前に訪れたことがある。そのときの記録をたどると、

『北山本門寺のスギ』は開祖、日興上人が「南無妙法蓮華経」の7文字になぞらえて、永仁六年(1298年)に植えたものと伝えられ、通称『題目杉』と呼ばれている。かっては7本あったが、明治中頃1本落雷で失い、昭和初期の台風で2本倒壊し、昭和53年と昭和55年に相次いで枯死、現在は3本が残るのみである。境内の隅、樹林中の人の入らない草地の奥に3本並んでそびえ立っていた。20数年前に仲間が枯死したのが信じられないほど樹勢があった。

三本残ったという杉は手前から「南無妙法蓮華経」と7本並んでいたとすると、「法」「華」「経」の三本が残っている。よくみると枯れた場所には4本の幼木が補植されていた。はたして「南無妙法蓮華経」と並んで見えるようになるには何年かかるであろうか。

「題目杉」は県の天然記念物に指定され、幹周囲6メートル~6.6メートル、樹高40メートル~42メートル、樹齢推定700年と案内板に書かれていた。


(題目杉、右から「法」「華」「経」?)

このあたりは、今は道路が縦横に走り開けてしまったが、かつては「重須(おもす)の森」と呼ばれ、鬱蒼とした深山であった。7本の「題目杉」も何百年もの間、林の中で守られていた。今ではすぐそばまで本門寺の駐車場が迫り、題目杉も遮るものも無い裸の状態になってしまった。明治になってから、落雷、台風、枯死と立て続けに仲間を失っていったのは象徴的である。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 北山本門寺の... 台車の効用に... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。