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第二番 極楽寺 ~ 第三番 金泉寺


(極楽寺本堂・大師堂)

雨の中、霊山寺から1.4キロメートル。時刻は午前8時45分、第二番札所 日照山 極楽寺は霊山寺に比べて嘘のように静かなお寺であった。目の付く境内の中央部に杉の巨木があった。「長命杉」という名前が付き、鳴門市の天然記念物になっていた。第一番と第二番札所は住所が鳴門市になっている。鳴門といえば鳴門の渦を思い出す者からすれば、この内陸部が鳴門だといわれてもピンとこない。


(長命杉)

案内板によると、弘法大師が四国霊場を開創のとき、当山において21日間修法を修せられたた後、当山守護の祈りを込めて、杉の木をお手植えされた。その杉は年月を経て巨樹となり、「長命杉」と呼ばれるようになった。千年の風雪に耐えた霊木で古来より老杉の霊気を受けると家内安全・身体健康を得、長寿を授かるとの言伝えがある。

1991年、環境庁の巨樹・巨木林調査によると、幹周囲4.65メートル、樹高15メートル、枝張り16.5メートルという。杉の生長からすると、樹齢1000年はかなり過大評価で、300年くらいが相当ではないかと思う。弘法大師お手植の杉だとすれば、おそらく2代目か3代目の杉ではないだろうか。初代が枯れて、伝説が2代目、3代目に引き継がれていくことはよくある例である。

長命杉の近くの軒下に熟年の男性お遍路が座り込んで、何やら懸命にメモを取っていた。まだ第二番札所で書くことがそんなにあるのだろうか。記録をまとめる目的をもって、お遍路に出たのであろう。ところで見渡したところ、境内に本堂も大師堂も見当たらない。納経所から出てきた作務衣の男に尋ねると、どちらも奥の石段を登った上にあると教えてくれた。

石段を登っていくとなるほど何人かのお遍路さんが般若心経を詠んでいた。本堂と大師堂でそれぞれ勤行を済ました。般若心経もつっかえつっかえ上げた。リズムをつかむまで相当かかるであろう。


(金泉寺本堂・大師堂)

第三番札所 亀光山 金泉寺は極楽寺から2.6キロメートルのところにある。午前10時30分、金泉寺に参拝する。ここの住所は板野町大寺という。由緒によれば、住所が現すように、この地には聖武天皇の勅願にて、天平年間に鎮護国家のため、金光明寺という大寺が立てられた。その後、お寺は途絶えていたが、ある時、弘法大師が水不足に苦しむこの地に井戸を掘り、住民はその井戸を黄金の泉と称え、弘法大師はこの地に金光明寺を再建し、金泉寺と改めた。


(金泉寺の多宝塔)

本堂の裏手の小高いところに、赤に彩色された多宝塔があった。時代は戦後に建築されたもののようだ。やや小振りの多宝塔であった。
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