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「四戦紀聞」を読む 11

(電線に集るスズメ)

電線にこれだけ集まるスズメを見るのは久し振りの気がする。スズメは日本家屋の瓦の下の隙間に巣を作って、繁殖してきた。もうしばらく前から、屋根の形状も変わり、瓦の下の隙間も塞がれて、スズメが繁殖する場所が無くなり、それがスズメを見かけなくなった理由だろうと思っていた。ところが、最近、再びスズメを多く見るようになった。その理由を、今は太陽光発電のパネルを付ける家が増えて、今度は太陽光パネルと瓦の間で繁殖するようになったと、まことしやかに誰かが説明してくれた。そのまま真に受けるわけには行かないが、どうなんだろう。

午後、アクアの点検に行く。

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「四戦紀聞」の解読を続ける。「遠州味方ヶ原戦記」の項の続き。

本多豊後守広孝、その子彦次郎康重も、蹈(ふ)み止まりて力戦す。康重及び家長(丁)高部屋架助、首級を得たり。本多作左衛門重次は馬を射られ、歩行(かち)立ちになりける所に、敵数十騎ばかり馳せ寄りけるが、その中に(ぶち)の馬に乗りたる武者、真っ先に進みけるを、重次忽(たちま)ちこれを突き落し、その首を捕りて、敵の馬に打ち乗り退きける。東條の松平甚太郎家忠も敵追い来たれば、度々返し戦う。石川伯耆守下(お)り敷いて、吾が兵を下知し、鎗先を揃え待ち儲(もう)くる処、敵勝ちに乗じ追い来たる時に、石川が兵、声を発して立ち騰(あ)がり、敵を突き崩す。また信玄直参(じきさん)の族(やから)、鼓(こ)を鳴らし馳せ到れば、石川が組、外山小作、忽(たちま)先登(せんとう)の敵を突き殪(たお)しけるが、首を取るに暇(いとま)なし。
※ 歩行立ち(かちだち)➜ 徒歩での行動。徒歩での戦闘。
※ 駮(ぶち)➜ 動物の毛並みが、いろいろの色であること。まだらであること。。
※ 先登(せんとう)➜ いちばん先に到着すること。


鳥居四郎左衛門は先達て成瀬討死(うちじに)と聞いて、なお以って驍勇(ぎょうゆう)を奮い、敵多く討ち取りて、遂には信玄の寵臣、土屋右衛門直村と太刀撃ち(たちうち)して、渠(かれ)がために首を得らる。岩堀勘解由左衛門、その子勘次郎、山下七郎右衛門、細井喜三郎勝宗、班(かえ)し合わせ、命を殞(おと)す。山下が弟喜兵衛と、細川が弟喜八郎勝久は、各兄の当の敵を撃ち捕り、その首どもを取り返して退く。都筑久大夫景忠は、返し合わせ戦いしが、深創(しんそう)を被(こう)ぶり危うき処に、その弟、都筑勘助、同八郎兵衛助け来たり。これを携(たずさ)え引き退く。加藤喜助は、北條の援将清水太郎左衛門正次(八州無双の大力)と組んで討たれ、中根喜蔵利重は、同北條衆、近藤出羽助真がために命を殞(おと)す。
※ 驍勇(ぎょうゆう)➜ 強く勇ましいこと。また、その人やそのさま。
※ 太刀撃ち(たちうち)➜ 太刀をもって互いに打ち合い戦うこと。
※ 深創(しんそう)➜ 深い傷。
※ 無双(むそう)➜ 二つとないこと。並ぶものがないほどすぐれていること。

(「遠州味方ヶ原戦記」つづく)
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