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「竹下村誌稿」を読む 326 兵事 2

(SN邸のニシキギ、11/30撮影)

紅葉するニシキギを見るのはおそらく初めてであった。前から庭に一株植えたいとは思っていたが。

昨日、購入の渋柿、15個で700円であった。今夜加工した。これで333個となった。

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「竹下村誌稿」の解読を続ける。

而して、徴兵令は明治六年より実施せられ、大凡(おおよそ)一家の戸主、官吏、嗣子承祖の孫、独子、独孫などは一切兵役を免じ、また代人料、弐百七拾円を収むる時は、兵役を免除するなどの条項ありしが、後、数度改正ありて、不備を補い、所謂国民皆兵主義となり。
※ 嗣子(しし)- 家のあとを継ぐ子。あとつぎ。
※ 承祖の孫(しょうそのまご)- 祖父から家督を受け継ぐ孫。


現今の兵役は大別して、現役、予備役後備役補充役となす。現役は陸軍は三ヶ年、海軍は四ヶ年、満二十歳に至り、合格者これに服す。予備役は陸軍は四ヶ年、海軍は三ヶ年、現役を了りたるもの、これに服す。後備役は陸軍は十ヶ年、海軍は五ヶ年、常備役を了(おわ)りたるものこれに服す。補充役は陸軍は十二年四ヶ月、海軍は一ヶ年、その年所要の現役兵に超過するものゝ中、所要人員これに服すと規定したり。
※ 予備役(よびえき)- 現役を終わった軍人が一定期間服する兵役。平常は市民生活を送り、非常時に召集されて軍務に服する。
※ 後備役(こうびえき)- 旧陸海軍で、予備役を終了した者が服した兵役。
※ 補充役(ほじゅうえき)- 現役兵の欠員補充や、戦争・事変に備えるための兵役。
※ 常備役(じょうびえき)- 現役と予備役を指す。


陸軍管区の制は、明治六年。全国を六軍管に区分し、東京、仙台、名古屋、大阪、広島、熊本の六鎮台を置きしが、同二十一年、鎮台を師団と改む。後、軍備の拡張により、師団の増設ありて、十九師団となる。本村は初め第三師団豊橋聯隊区に属し、後、静岡聯隊区に隷せしも、今は第十五師団(豊橋)浜松聯隊区に属す。

海軍管区は初め横須賀を軍港とし、提督府を置きしが、後、鎮守府と改む。その後、呉、佐世保、舞鶴を軍港とし、各鎮守府を置く。本村は第一海軍区横須賀鎮守府所管たり。

本村は徴兵令頒布当時より、明治二十二年まで、兵役に服したるもの見ざれば、何ら記すべきものなしといえども、近時著名なる戦役の概況を次に述ぶべし。

       一 西 南 役

西南役 明治の政、稍々(やゝ)緒に就くに当り、幾らもなく征韓論起こり、廟議の衝突を来し、佐賀及び萩の乱あり。明治十年、征韓論の主唱者たりし西郷隆盛、薩摩にありて、私学党の壮士二万を率いて東上せんとし、進んで熊本城を囲む。城将堅く守り、征討軍に連絡す。隆盛ら兵勢、日に蹙(きわ)まり、九月、遂に城山に戦死す。兵乱平らぐ、この役、官軍(陸海軍)兵数六万八百、死傷一万六千、軍費四千百六拾万と称す。而して本村より参加せしものなし。賊軍兵数凡そ四万、死傷二万と云う。
※ 廟議(びょうぎ)- 朝廷の評議。朝議。
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