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食卓を覗くムサシと円安ドル80円台

(食卓を覗くムサシ)

我が家のムサシはいよいよ座敷犬の様相を示し、今まで昼間は庭の芝生の上、夜は裏の小屋という所定場所をはみ出し、冬は外が寒いからという理由で、昼間は日当たり最良の、かつて縁側書斎であった場所を締め、夜にはダイニングが居場所になって、その隅の布団の上で寝ている。いずれも猫可愛がり(猫ではないが)の女房による、ムサシの座敷犬化計画の成せる業である。

ムサシはそこが居場所だと認識すると、縄張りを主張し他を排するために、訪問者にやたらに吠える。番犬としては忠実なのだが、これを家の中でやられると煩くてならない。

食事をしていると、何かおこぼれがもらえないかと、身を付けんばかりに接近して、じいっと見つめる。女房と話をしようものなら、自分も仲間に入りたいのか、ワンワン吠えて話をしておれなくなる。油断するとテーブルに足を掛けて顔を出し、食べ物をねだる。何とも傍若無人ぶりである。

夜、ダイニングに出入りを度々すると、煩いというように吠える。女房は、ムサシに近付くな、構うな、放って置けというが、つまるところ、我が家における自分の行動範囲が徐々に狭められるわけで、毎日が日曜日の自分にはなかなか辛い。

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この二日ほどで、ようやく円高基調に変化が見られた。一時は70円台の半ばまで円高が進んでいたが、ようやく80円の大台を越えて円安に振れて来た。ギリシャの危機が一応回避されたことが大きいが、原因の一つには日銀が一層の円の量的緩和策を打ち出し、米金利との金利差が顕著になって、金利の高いほうに流れて、円が売られドルが買われることになったことが上げられる。

今朝の国会の質疑の中継で、自民党の中川秀直氏の質問を聞いた。その中で歴史的な円高の理由として、リーマンショック以降の通貨発行量がドルでは3倍になり、一方、円は1.3倍にしかならず、これだけを要素として単純計算すれば、1ドル50円くらいになっても不思議ではない通貨の発行高の推移である。その結果、日本はデフレに陥り、アメリカではデフレに陥ることが無く推移している。日銀の優柔不断な政策が現在のデフレと円高を引き起こしているのではないかというのが、中川氏の質問趣旨であった。

これは一つの見方である。今回の円の量的緩和策が円高を止める有効な手段であったことを考えると、納得できる。ドル買いによって相場へ介入するのはショック療法ではあるが効果が長続きするようには思えないのに対して、量的緩和策は根本的な政策になると思った。

今回の80円台突入を機会に、円ドル相場は円安に推移していくだろうという予感がある。それを確実にするためには、今後も日銀のタイムリーな対応が不可欠である。
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