さて、前回に予告したとおり、今月の能面教室から新しい課題が提示された。課題は「頼政(よりまさ)」だ。このお面が選ばれた理由は、同じ能面教室の一人が、前から何やら頼政、頼政と言っており、先生がそれを覚えていたことで今回の課題になったという理由。
このお面にもいろいろとい言われがあるものの、我が方はそれほど興味は無い。従って単に「彫る」だけで、あえてそれらの言われを知ろうとは思わないものの、一応はネットをチェックしたところだ。
それによれば・・・
今回もちょっと時間が経っているので、写真をメインに作成過程を紹介する。
まず、参考とした写真は次の通り。これを元に型紙を作って、それに各種の数値を書き込み、彫り始めることになった。
下は最初の段階。作業開始は10日だが、材料に型紙を当ててなぞったところだ。今回は材料の都合で高さが若干低くなるものの、5mm程度なので適当に加減をして彫り上げていくことになる。この程度なら見た目にはほぼ影響はない。
これも10日の段階だが、高さを計測し、それに基づいて余分な部分を切り取ったところだ。
下は11日の結果。上の段階から顔の輪郭に沿って余計な部分を切り取り、更には滑らかにしたというあたり。良く切れるノコギリなら数十分で出来上がる過程だ。そこから切り出しナイフなどを使い、周囲をきれいに削り取っていくだけ・・なのだが、余り切れないノコギリを使っているから、余計な時間がかかったかも。
下は12日の段階なのだが、上から1日しか経っていない。見た感じでは数日が経っているような気がするものの、そうでもないようだ。写真の日付から1日しか経っていないのがわかる。
下は13日。上とは余り変化が見られないと思うものの、結構手を加えているのだ。もちろん、裏彫りの第一段階は終わっており、いくらか材料も軽くなっているところ。
これが今日14日の出来具合。きちんとした側面図や写真ががないので、ある部分では適当に彫っていくことになったものの、まあ、良いところまで来た感じ。参考写真と比べてもまずまず・・・と、自己満足をしているが、さて、さて。次は裏彫りを深めにしよう。
ところで、前回のブログから今回の「頼政」まで、時間が経っている。この間、何をしていたかと言えば、あの堅い材料「けやき」を使って、もう一個の「小面」を彫っていたのだ。もうやめた・・と一時は言ったものの、せっかく残った材料があったので、試しにもう一個を彫り、これで納得しようとしていた。
1個目はすでに彩色を終えており、前回に紹介している。これは2個目だが、上のヒバ材とは違って色具合も堅い色だ。もちろん、1個目の大変だった作業工程を考慮して、無理をしない程度の作業を行ったのは当然として、さすがに、まだ残っているケヤキで「大物の能面」を彫る気はしない。
というあたりで、今月中には「頼政」は完成する。ただ、材料がもう一個あるから、次の「頼政2」に挑戦してみようと考えているところだ。
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