わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

小尉 その4

2019年05月13日 | 能面

新しい元号になってからは、彩色を始めた。今年に入ってから彫り始めていた複数のお面を、一気に彩色する事態だ。これは単に、面倒だったこともあり、結局は5個のお面が素彫りのまま放置されていたために、これでは具合が悪い。結局は意を決して「彩色」に入ったという具合。

で、小尉が3個、十六が1個、別当が1個の、計5個だ。今回は小尉の彩色を中心に紹介しよう。

上は素彫りの完成。3月6日なので、結構時間が経っている。上は3個目の小尉だが、実はこの後に「敦盛」や「別当」を彫っていたので、今回の彩色までは、放置状態だった。

いよいよ彩色を進めているところ。上は5月3日の状態だが、すでに裏側にも色が付いている。これは「工芸漆」の黒と茶を混ぜた色を塗っており、私の場合はその配合の色を使っているところ。それは2日に実施していたので、乾燥を待ったその翌日には「下塗り」と称して、お面の表面に一回目の色を塗ったところだ。ただ、通常は胡粉の真っ白をそのまま塗っても良いのだが、別当の「深みどり」を含めて、以前に使った色が残っていた。それを活用することにしたので、下塗りの段階からすでに仕上げの色が使われている状態。

これは「ひげ」だ。小尉には、頭髪部分を含めて41本の「ひげ」が使われている。この材料は「馬の毛」である。別途用意した馬の毛を、10数本束ねて一本の毛を作る。それを41本以上も作るのは、これまた大変な作業である。

約2mm程度の太さに束ねた馬の毛を、根っこ部分をミシン糸で結わえて、そこにボンドを染み込ませる。そこを細いまま固める必要があり、ビニールタイを利用してくるくる巻きにしながら、細く固めるのだ。それが上の写真。これが完成したのは10日だから、手間がかかっていることが分かる。

で、彩色が終わったお面に毛髪と髭を植え込んだのが上の写真。これで完成した姿。もちろん、一応の古色を施した後だから、おじいさんの顔色らしくは見えるものの、写真ではもっと茶色っぽい色でもある。もちろん、残りの2個も同じ彩色をしているが、髭は付けないまま。

さて、他のお面はどんな状態だったのか。

下は「別当」だ。本当はこの後に、髭のたぐいを植え付ける必要がある。ただ、書いたように髭の作成が大変めんどうくさいので、今回の「別当3」も「髭なし」で済ませることにした。

最後は「十六」だ。今回は「敦盛」という名称で彫ったのだが、まあ、同じモノなのでそれはそれでOKにしよう。

上が「敦盛」。見た目はそれなりに完成しているから、これはこれで良いだろう。これも3個目の作品なので、今後は彫らないかも・・・

ということから、今年に入ってから彫り上げた5個のお面は、年号が変わってやっと完成した。この後はしばらく休憩して、のんびり行こうかな。

 

と思いきや、実は次の課題が決まっており、早々にその作業が始まるのだ。

新年度の能面教室のその課題は「小町老女」だ。もともと老女よりは若い女性が好みであったために、老女関係のお面は避けていたのだが、今回は能面教室の課題ということなので、これはやむを得ないのかな・・・

 

ではまた。

 

 

 

 

 

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