わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

般若5

2007年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog119概ね彫りが終わったところ。もっとも、これに「角(つの)」が付くのだが、角はまだ付けない。一応このまま来週の教室に持って行き、出来具合を評価して貰いながら細かい修正をしなければならないのだ。

元の型紙と比べても、一部に寸法の違うところが見られるが、これは今となってはどうしようもない。たとえば、口元を絞り込むはずだったが、一旦形を彫ってしまったら、なかなか修正が効かないのだ。これが出来る部分や作業段階の時に注意深くやっていれば良いことは分かっているものの、彫りが進んでそれが出来なくなってしまったら、あとはごまかして型紙に近づけるしかない。

まあそれでも一応は本の作例に近い表情をしているから、なんとか見られると思う・・・と、自己判断しよう。

Blog120 これは面の裏側。表面だけ見せても裏がどうなっているのか気になるところだ。このぐらい彫っていれば裏彫りも一応出来上がったところだが、これで完成ではない。厚いのである。これをもっと薄くして、軽い面にした方が良いのだが、それがなかなか出来ないのが素人だから、これもしょうがない。

本来、能面は顔に付けて使用する。そのためにある程度は薄くする必要があることは理解できるが、飾るだけの面であれば少しぐらい厚く、重くても特に支障はない。表面と裏を指で触り、厚さを感じながら削っていく段階で、思わず削りすぎて穴が開いてしまう事があるので、そのあたりは慎重に進めなければならない。

幸いにも私は穴を開けたことはないが、生徒の中ではよく話しに出るから、何年経っても失敗をするものなのだろう。もっとも、私も今回に限らず、失敗して木工用パテのお世話になったことは何度かあるので、人の失敗を笑ってはいられない。何と言っても木だから、一旦削ってしまったら修正が効かないのが困る。

陶芸をやる前は、土をいじっているのだから、いくらか失敗してもまた土をくっつければすぐにも修正が出来ると思っていたことがある。が、実際陶芸を初めてみると、失敗したからと言って土をくっつければ良いと言うわけでもないことが分かった。もっとも、陶芸の場合は新しく作り直す事が容易だから、失敗した物を壊しても惜しくはない。しかし、能面作りは時間がかかり、作り直すのは並大抵ではない。

従って、これに限らず物を作るときには、細心の注意を払って作業を進めることが重要であるから、そんなことを考えながら日々生きていくと、脳細胞の活性化にも繋がる・・・と言うことで、終わりにしよう。


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