前回から一週間以上が過ぎたのだが、外観はそれほど変化していない。そのぐらい作業が大変なお面と言うことなので、まあ、これはやむを得ないだろう。あえて作業が面倒なお面を選んだのは、単に「手間や時間がかかった方が面白い」という言い分けのたぐいであり、今回もそれほど大きな問題ではない。
上は21日だ。この般若では特に手間のかかる部分で、口の中の作業である。実はここだけでも数日はかかるほどに面倒な作業箇所なので、この部分を上手に完成させることで、その技量が分かる。
口の形と歯の部分をバランス良く書き込み、それに沿って正確に彫り込んでいく・・ということなのだが、それが実に大変なのだ。左右の形が同じになるように書き込むという単純な作業。それがなかなかうまく書けないね。どうしても不揃いになって、形が崩れてしまう。何度も書き直して左右が対称になったあたりを見込んで、実際に彫っていく。
上は口の中をある程度彫り進んだところ。22日だが、口の部分だけではなく、全体を見ながら部分的に修正を行っているので、けっこう日数や時間がかかっているところだ。もちろん、同時に裏彫りもしており、それにも時間がかかっていることもある。実は、この般若の裏彫りも大変。特に口の周りは深く彫る必要があり、気合いを入れつつ慎重にノミを打ち込んでいかなければならない。無理をすると割れてしまうから、力の入れ加減は特に慎重に。
上は26日だ。1枚上の写真からここまで来るのに実に4日もかかっている。もちろん口の中を彫っているのだが、同時に裏側も深く彫り、貫通させなければならない。それらの作業に4日間もかかるほど、大変な作業だった。
こうしてみれば、ほぼ出来上がっていることが分かる。この時点では細かいノミ跡は消えるように大きな「平刀」を使い、滑らかにしていく。その結果、ほぼ出来上がって見えるところかな。いや、大変だった。うーん、さすがに手首が痛いぞ・・・
さて、上は恒例の「サンドペーパーがけ」を施したところ。27日だが、角(つの)を残してほぼ出来上がっていると言っても良い。まあ、目の中の黒目部分はまだ空けてはいないが、角を含めて素彫りの完成予定は、11月6日の能面教室を見込んでいる。
ただ、このお面の作業開始が今月の10日あたりだったから、「真鍮製の眼球」の製作を含めるなら、来月の能面塾が11月13日だから、その日までかかっても「おおむね一ヶ月」の期間が保てる気配なので、その日を素彫り完成の目標にしてもいいかな。
うん、まだまだ十分な時間の余裕があるぞ・・・