わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

般若8 その2

2019年10月19日 | 能面

順調に彫り進んでいた。ただ、材料は良質とは言いがたいようで、正面左側の端に「虫食い」部分が見えてきた。これは材料だけの時は見えなかったのだが、彫り進んでいったところ、その部分が表面に出てきたという具合。

当初はその部分をちょっと補修すればOKだと思っていたところ、どうも上下に長い部分に虫食いがあることが判明した。従って、この部分を取り除き、別の材を貼り合わせた方が良いとの判断から、その作業に入った。それが下の写真だ。

上は16日のあたり、右あごの部分にちょっと筋が見える。これが虫食いの部分だ。実はこれが右の耳の下を通って頭の部分まで貫通している事が分かったのだ。で、この部分を一気に切り取って、別の部材を貼り付ける・・・ということにした。

上がその状況。耳を含めて頭の部分からあごの部分までを切り取り、余っていた部材を貼り付けたところ。作業の範囲は「補修」ではあるが、これは顔の右側面を大きく切り取った大手術の部類に入るだろう。使った材料は、この般若の表面を切り取った時に出た余分な材料(2個のうちの1個)だ。残りの一個は「角(つの)」に使っている。

上は、乾燥した後に余分な部分を切り取り、表面になじませたとろろだ。なかなか良い具合に修理が進んでいる。貼り付けた接合部分が見える。

上は、更に図面の型に沿って彫り進んでいくと・・・なかなか具合がよろしい。下側には補修で貼り付けた部分の筋が見える。この部分が修理した場所だ。違和感はないが、彩色したあとにも筋が見えるかも知れない。

で、これが今日19日の姿だ。この補修作業は16日から始まり、3日をかけてほぼ元通りの姿に戻ったから、この作業の手順は正解だろう。

全体的に見てもまさしく般若である。今後は口の中の造作作業に入る予定だが、裏彫りもまだ浅く、まあ急ぐ必要はないので、慌てずに、無理をしないでのんびりと行こう・・・

というあたりでした。