おととい、昔聴いたパペの第9の第一声が脳裏から離れない、といったような感じのことを日記にした河童だが、紐解いてみたら2002年の出来事だった。4年前、河童時間でいったらほんの4日ぐらい前の話であった。やはり記録と記憶が妖怪、溶解し始めているようだ。皿のお水もなくなってきた。バレンボイムとベルリン国立歌劇場が来日してリング・サイクルを3回敢行したときの歌い手の一人としてパペも来た。第9は朝缶コーヒー前。
クラシックカテゴリーのブログを眺めていると、国内外在住のプロの方、練習もきっちりとやってその合間のといった、プロとして当然の宣伝日記的部分もあると思うが、それらのくくりと、他には、Wikipediaなみのデーータ配列重視の路線などがあるようで、サラリーマンなどが書き込む余地は無い、誰も読んでくれそうもない独白日記はあまり出る幕無し。ちょっと側面デーータでも。
リングのときに誰かさんの板に書いたことがあるので少し繰り返しかもしれないけど。
2002年ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場
リングサイクルのタイミング。
DB/Staatskapelle Berlin/Ring Cycle
2002.1.16. R-2:27
2002.1.17. W-①1:07②1:33③1:07
2002.1.19. S-①1:15②1:15③1:22
2002.1.23. G-①2:01②1:07③1:20
2002.1.27. R-2:28
2002.1.30. W-①1:05②1:30③1:10
2002.2.1. S-①1:17②1:16③1:21
2002.2.3. G-①1:58②1:05③1:17
2002.2.6. R-2:26
2002.2.7. W-①1:01②1:31③1:09
2002.2.10. S-①不明②不明③不明
2002.2.13. G-①1:58②1:05③1:16
*2.10.のジークフリートはN●Kホール地獄席(2階奥)の為チケットを譲った。(定価で)
コンサート
2002.1.25. アルトラプソディ-0:13 ブラレク-1:18
2002.1.28. ベトVコン ベト7
2002.1.29 ブラVコン ベト5
2002.2.9. 第九①0:17②0:12③0:18④0:25
以上、河童の皿力。
感想と言えば、
●高揚度
第一位 Cycle1のR終結部のはないちもんめ。
第二位 Cycle2のG第2幕の撥が折れ皮が破れたと思われたティンパニの強打。
第三位 Cycle3のW第2,3幕のヴォータンの歌舞伎技。
●特別賞
同率第一位 ベト7の第4楽章の圧倒的インテンポ。
同率第一位 第九の歓喜の歌第一声いきなりルネ・パペ・ワールド。聴衆5センチ浮上。
次点 第九の地を這うコーダ。
●歌手頑張り度(常連省略)
第一位 クリスチャン・フランツ
第二位 メッテ・アイシング
● 疲れたで賞
第一位 ホルン
第二位 Rのロボコップ達
● バット・マナー賞
第一位 指揮をする聴衆
第二位 貧乏ゆすらー
第三位 ガム食べ人間
第四位 どこにでもいるフライングブラボー
● 総合評価
表記タイミングは河童が現場で計ったもの。完成度の非常に高いプロダクション。箸の上げ下げまで計算されつくしている。同メンバーによる1997年のW3回公演も同一プロダクションで、今回とほぼ同じような感じ。
DBはヒートしていく指揮者であり、都度成長を繰り返している。一曲の中で、あるいはまとまった公演の中で、ヒートと成長をくりかえす。例えばRのように成長する音楽がDBには良く合う。計算され尽くしているけれど新鮮。どことなくフルヴェンに似てなくもないが、音楽に対する指向が同一結果を招いていると言えるかも。指揮・オケ・歌手・演出・聴衆が「”五”位一体」になった結果。無尽蔵とも思えるエネルギーはどこから出てくるのか。何故やる度にこうもリフレッシュされているのか。パソコンではないけれど彼の背中にはリセットボタンがついているのかも。演奏自体は緩急自在。テンポのゆれはかなりなもの。棒を見ていると小節の拍子をとるというより、小節の縦振りを取り払った水墨画風タッチ。ポイントを突く振り方で、完全な掌握。
とまあ、こんな雰囲気であったのだが、だからなんだといわれてもノーアンサー。
今年のゲルギエフのリングは2回公演のうち1回と二分の一だけ拝見。別途。
ついでに、バレンボイムのバイロイトのリングだけピックアップしてみた。(年末放送)
DB/Bayreuth/Ring Cycle
1988.7.27. R-2:35
1988.7.28. W-①1:07②1:38③1:12
1988.7.30. S-①1:18②1:18③1:21
1988.8.1. G-①2:07②1:07③1:20
1989.7.27. R-2:33
1989.7.28. W-①1:05②③
1989.7.30. S-①1:16②1:17③1:21
1989.8.1. G-①2:01②1:09③1:22
1990.7.27. R-2:35
1990.7.28. W-①1:07②1:36③1:12
1990.7.30. S-①1:16②1:17③1:21
1990.8.1. G-①2:01②1:05③1:18
1991.7.27. R-2:33
1991.7.28. W-①1:04②1:34③1:12
1991.7.30. S-①1:18②1:16③1:21
1991.8.1. G-①2:05②1:07③1:20
1992.7.26. R-2:37
1992.7.27. W-①1:07②1:37③1:13
1992.7.29. S-①1:18②1:18③1:21
1992.7.31 G-①2:03②1:07③1:20
これも、だからなんなんだ、と言われても応えようがまるでない。
ワーグナーはひところはやったDATで聴くと、とっかえひっかえしなくてよく、楽だったが、今あるデッキが壊れたらDATテープだけ残ってしまう。河童の皿力でもどうしようもない。結局オープンリールデッキやDATから保存用DATに編集コピーを聴きながらしていたときが一番聴いていたのかも。