河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2238- コジ・ファン・トゥッテ、ジョナサン・ノット、東響、2016.12.9

2016-12-09 23:46:28 | オペラ

2016年12月9日(金) 6:30-10:20pm ミューザ川崎

モーツァルト 作曲
トーマス・アレン ディレクション
コジ・ファン・トゥッテ (コンサートスタイル)

キャスト(in order of voice’s appearance)
1.フェルランド、アレック・シュレイダー(T)
2.グリエルモ、マルクス・ウェルバ(Br)

3.ドン・アルフォンソ、トーマス・アレン(Br)

4.フィオルディリージ、ヴィクトリア・カミンスカイテ(S)
5.ドラベッラ、マイテ・ボーモン(Ms)

6.デスピーナ、ヴァレンティナ・ファルカス(S)
合唱、新国立劇場合唱団

ジョナサン・ノット、ハンマーフリューゲル&指揮 東京交響楽団

(duration)
序曲 4′
ActⅠ 86′
Int
ActⅡ 95′


盛り上がるモーツァルト。素晴らしすぎる6人衆の歌唱、背骨反り返らせ両腕が蝶のように舞うノット。快演。

これから先が長いノット時代。色々とやりたい企画がたくさんありそう。
今回のコジ、演奏会形式は、ダ・ポンテ3部作をすべてやるという企画の一発目のようですね。
ノーカット上演。ノットの弾き振り。6人衆の豪華キャストは残念ながら2名交代、まぁそれでも凄い。
ストーリーがヘビーかどうか別にして、ナンバーが独唱、重唱、大変に多くて、2幕で3時間を越える。

演奏会形式とは言え、オケは弦6-6-4-3-2、それと2管。コンパクトなアンサンブルでステージはだだっぴろくスペースありますので比較的自由に使える。
ディレクションをしたトーマス・アレンがアルフォンソ役で他の5人、それに16人の合唱団をうまく動かしている。
変装はあってないようなものですがとりあえず目印となるものがあるので、その目で見れば問題なし。
声がちょっと体育館っぽく響く感じはありますがじきに慣れる。音も後半になって変化してきたような気もする。

動かし役がアルフォンソのアレンで、大柄な彼自身まだまだよく動けるので全体の動きがとてもいいし、歌の出番は多くないが重唱など味わい深いですね。他の5人は全員主役みたいなもんです。
中でも女中デスピーナ役のファルカスがさえている。お嬢様姉妹越えのスポーティーな動き。女中の雰囲気は無くてむしろけん引役、結果全体の、オペラ愉しみレベルを押し上げているような感がある。あたしお金に弱いの、とストレートな物言いで、老哲学者とは息が合うかどうかは別にしても渡すものを渡せばよく動く。ストレートな役柄で、キャラクター的にもきまってますね。姉妹をそそのかすあたりのシーンでは女声3人衆となってしまうがソプラノ、メッゾの声種は明確にわかる。輪郭がクリアでキーンなしなりがよく目立ち美しい。考え方も大胆な今風女中ですな。

2男×2女
グリエルモBr×フィオルディリージお姉さんS
フェルランドT×ドラベッラお妹さんMs

なんだか懐かしい緑色の字幕、姉、妹を明確に書いているので、フィオルディリージお姉さん、ドラベッラお妹さん。
フィオルディリージはパーションの代役ソプラノのカミンスカイテさん。同じソプラノのデスピーナ役のファルカスとキーンなところは似ていると思いますが、歌うシーンはナンバーで明確に分けられているし、重唱での混ざり具合はむしろ圧力あります。
ドラベッラのボーモンさんはメッゾで、役どころの歌はよくわかります。
ナンバー的にはフィオルディリージの歌のほうがよく目立ちます。とりあえず、貞淑な役ですし、ウェットな独唱ロングナンバーが美しい、圧巻です。

男のほうは、グリエルモのウェルバがバリトン。フェルランドのシュレイダーがテノール。
見た目は逆な声質の雰囲気。
それぞれの独唱は聴き応えありました。重唱は手堅さがにじみ出ますね。ウェルバさんはハンマーフリューゲルのノットのほうに寄っていったりして色々な動きを楽しませてくれた。

この4人のキャラクターはコンサートスタイルの舞台でもよくわかるもので、出色の出来でした。

偽結婚、公証人、ラスト15分あたりからのモーツァルトの音楽的盛り上がりが凄い。圧倒的。思わず身を乗り出してしまいます。

ノットの腕はますます冴えわたる。
ハンマーフリューゲルは前のほうで動く歌い手たちより奥にセットアップしているので、弾きながら後ろを見ないといけなくてちょと窮屈かもしれない、ものともせず、立ったり座ったりでの弾き振りはお見事。両手はいつの間にかヒラヒラと動き回りモーツァルトと化す。最高の指揮でしたね。

3階正面席がほぼガラガラだったのが気になった。休憩の後は結構うまってましたが。
料金設定が変なのだと思う。呼び水効果等、当局は少し商売のことを考えた方がいい。
音が変わったと感じたのは、あすこに客がいるのといないのでは少し音響も違ってくるのかもしれない。
おわり


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