河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

0042- フルトヴェングラー エキセントリック・コンサート

2006-08-23 00:07:46 | フルトヴェングラー

河童「この前お勧めしたライヴCD買ってみたのかね。」

静かな悪友S「聴いてみた。」

河童「それで感想は?」

S「あの指揮、とんでも棒だな。」

河童「だから前々から早く聴け、といっておいたのだ。」

S「予想以上だった。」

河童「あんなエキセントリックな演奏はないぜ。冒頭のコリオランはコレデモカといった超弩級の重さだし。春は、Spring has gone.っていう感じ。極度に引き延ばされ空中分解しそうな序奏を聴けば、もう終わってもいいのでは?とさえ思える。ブル4にいたっては、スケルツォのノリは誰もまねできないが、第4楽章の人間の限界を超えたキンチョールも鳥肌ものよ。」

S「どのような指揮者もまねできない解釈だし、まねしようとしても無理だな。プロセスがあって結果がついてきた、っていうことだからやはり天才技というところか。それにしてもオケをドライヴしすぎ。ウィーン・フィルよくついていけるよ。」

河童「おもしろすぎる演奏だ。」

S「これは定期?」

河童「ウィーン・フィルとのヨーロッパ・ツアーのなかでの演奏だ。10月5日のモントゥルーから始まって、ローザンヌ、チューリッヒ、バーゼル、パリ、ミュンスター、ハンブルク、ハノーファー、ドルトムント、ウッペルタル、デュッセルドルフ、ヴィースバーデン、ハイデルベルク、フランクフルト、シュトゥットガルト、カールスルーエ、そしてこの日が区切りのミュンヘン公演だ。」

S「ずいぶんと詳しいな。」

河童「追っかけをしたんだ。」

S「それにしても昔のプログラムは長かったんだね。」

河童「この日も休憩をいれて2時間半ぐらいかかってしまった。全プログラム胃袋に鉛を飲み込んでしまったようなヘヴィーな気分。」

S「こんな演奏毎日やっていたのかね。」

河童「そうゆうことだ。10月のミュンヘンの澄んだ空気の夜空に向かって怒髪天を衝く演奏にはもってこいのコンディションだったみたいだね。」

S「よくやるよ。ところで、このホールはドイツ博物館とあるが。」

河童「そうだ。ミュンヘンの川の中州にあるばかでかいドイツ博物館だ。」

S「博物館のロビーでやったのかね。」

河童「全部見るのに3,4日かかる博物館なので、いたるところにスペースがある。終わってからちょっと見学してみたけど、昔の防空壕の地下迷路のようなものがそのまま博物館の地下にあったりする、とんでも館だ。」

S「こんどフュッセンの白鳥のお城に登って、その足で寄ってみるか。」

河童「それがいい。河童はライン川をもぐってコブレンツの例の〆鯖の居酒屋で一服してから北に向かう。」

S「それはそうと、お河童さんはF協会会員になってどのくらいになるの?」

河童「そうだね。河童歴132年からだから、もうかれこれ30年以上だね。」

S「こんな限界演奏をいつも早目に入手していたのかな。」

河童「この演奏は河童歴109年のもので、現場で盗み録音をしてあらぬ方向にばら撒いたら、河童歴128年頃にLP化された(市販2枚)。」

S「昔から音も盗んでいたと言うことか。」

河童「人聞きが悪いな。エキセントリック・コンサートの世界遺産化だ。」

S「ものはいいようだな。」

河童「昔のF協会は市販されていない音源の連発で有意義だった。会員も熱かった。一番印象に残っている協会レコードは、例のドイツ亡命前夜のフランクとブラ2の何を何処にそんなに急ぐクレイジーな演奏。あれはすごかった。ご本人は結局、スキーでスイスにでたという噂もある。」

S「それでF協会は?」

河童「歴史はすすみ、録音の著作権切れになったあたりからインディーズ系の小規模な会社などが同じ音源の繰り返し発売の連発で新鮮味がなくなった。F協会も同じ音源の繰り返し発売ばかり。主眼は新録音ではなく、同じ音源でいい音のCDをだすこと。という奇妙な現象が発生した。それに最近のF協会は、利益をあげているのではないかというきな臭い噂もあるようだ。いずれにしてもご本人は1954年没だから、これ以降の新譜はないわけで、オタク連中にとっては範囲が確定している分、コレクトしやすいのだろう。僕はもう卒業だ。全部聴いた。スカラ座とのステレオのパルジファルがあるという噂もあるが、発見されて発売されればすぐにとびつくだろうが、これまでの焼き直しCDはもうたくさんだ。基本的にあたらしものずきだし。」

S「なるほどね。オタク寸前で踏みとどまったんだね。」

河童「でも、いまだに会員。某ネットでは最近までかなり名が売れていた。理由はまたいつかチャンスがあれば教えるよ。」

S「楽しみにしてるよ。」

1951年10月29日 ミュンヘン、ドイツ博物館
ベートーヴェン コリオラン序曲
シューマン 交響曲第1番 春
ブルックナー 交響曲4番
ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル

おわり

 

 


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