●
メータが音楽監督を務めるニューヨーク・フィルハーモニックは、1983-1984シーズン最後の6週間は大変だった。メータがひじを痛めてタクトをとれなくなったので代振りの連続。
詳細は1983-1984シーズン聴いた演奏会、観たオペラに書いてます。
●
1984年4月14日(土)8:00pm
エイヴリー・フィッシャー・ホール
.
ハイドン/交響曲第44番かなしみ
.
ブロッホ/シェロモ
チェロ、ローン・マンロー
.
ショスタコーヴィッチ/交響曲第5番
.
アンドリュー・デイヴィス指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
●
またしてもメータの代役の登場。
アンドリュー・デイヴィスはあいかわらず表現過多。あまり格好良くないのだから、動きすぎるとみっともない。但し、(いつものファースト・ティアではなく)サード・ティアからみていると指揮台まで遠いのでその姿がデフォルメされてしまうので少しは気が落ち着く。
前半の2曲は生では初めて聴く曲。
後半は言わずと知れたバーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックのベスト・コンビで有名なショスタコ。これにアンドリュー・デイヴィスが挑戦するとでもいうのだろうか。
日本にいたときに名古屋で聴いたバーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックのコンビによるこの曲の演奏は非常に素晴らしかった。特に第3楽章のベールをかぶったような弦の表現は今でも忘れられない。
それに比べると、というわけでもないのだが、フレーズに締りがなく、フォルテのみ強調され妙に中ぶくれの雰囲気となる。代役ということでしかたがない面もあるとは思うのだが、ノイマンが代役であれだけ素晴らしい演奏を行うのだから、彼も一指揮者としてもっと自己主張をもった表現ができたはずである。その指揮姿から自己主張は人一倍あるのだから。
●