2011-2012シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから。
2011-2012シーズン
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2012年5月18日(金)7:15pm
すみだトリフォニー
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ドヴォルザーク 金の紡ぎ車
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マーラー 嘆きの歌
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ソプラノ、天羽明恵
アルト、アネリー・ペーボ
テノール、望月哲也
バリトン、イシュトヴァーン・コヴァーチ
子供の独唱ソプラノ、高坂祐人、田代新
子供の独唱アルト、小林雪音、高坂幸代
合唱、栗友会合唱団
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クリスチャン・アルミンク指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
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両方とも実演ではめったにお耳にかかれない曲。ドヴォルザークはアルミンクのこれまでのマルティヌーやスークの流れかもしれない。プログラム・ビルディング的には違和感があるコンビネーションながら、一夜で両方聴けるわけですからそちらの僥倖にまず感謝しなければいけません。
ドヴォルザークは味わいのある曲でしたが、睡魔の方が勝ってしまいました。すいませんw
嘆きの歌は、合唱、ソリスト(児童含む)、大バンダ、巨大オケ、8番に勝るとも劣らない編成。三部構成全部で約62分。
歌は8番の第2部のようなロングストーリーを想定しては肩透かしにあう。とにかくショートフレーズの歌が多く、歌の内容や情感よりも場面説明のようであり味わいは多くない、ということが実演でわかった。この歌だと歌う方も聴く方もストレスたまるなぁ。
マーラーがこの曲の後に作っていった曲想や雰囲気などがいたるところにあらわれており、それは萌芽などというレベルを越えているように思う。では過去の引用はないのかと言えばご本人には曲自体がまだないわけであまり問えないが、ではほかの作曲家なら例えばワーグナー。嘆きの歌第三部婚礼の出来事における合唱はほぼワーグナーリングサイクル唯一の合唱場面、カミタソの第2幕の悪だくみ三重唱に絡まる婚礼の合唱とムードが酷似している。
唐突なエンディングはマーラー自身の10番の第5楽章の始まりのように響く。といったらこれは言い過ぎだろうな。
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いずれにしても聴きごたえありました。
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せっかくの好企画、快演でありながら苦言を二つ。
リブレットが付きましたけれど、左にドイツ語、右に日本語、まるで追えない。ましてショートフレーズの歌だらけなのでますます混乱。せめてS,A、T、Bとか目印をつけてもらえればかなり理解できたと思います。
それともうひとつ、プログラムに曲の時間が書いてありますが、今回は大きく間違っている。ドヴォルザークは27分ではなく17分、マーラーは70分ではなく60分と記すべきだろう。
おわり