平林さんが制作したCDで、ツートラサンパンチではなく、その半分の規格の4トラック19センチの昔の市販オープンリールテープをCDに焼き付けたもの。
ライナーに一言作成経緯などの記述があって然るべきだと思うのだが、ない。かわりに玉木さんの小文が載っている。平林さんの昨今の活躍から言ってこのような企画があって不思議ではないので違和感はないのだが、一言あればなおよかったと思う。
ソニーから出ている1959年録音の同曲と同じ演奏。最初にLPで発売され、次にリールテープが発売され、それを手に入れられオリジナルとして作成されたCDだろう。7号規格でフォワードとリバースでそんなに大きなものではない。銀紙フォイルセンサー無しのオートリバースなしなので第2楽章が終わったところでLPなみに裏返すか、リバース機能があれば少しは楽。曲の長さのバランスが悪いとこれまたLPなみに楽章の途中で操作が必要となる。といったところか。
なぜマスターテープからではなく市販リールテープからのダビングなのか。そこらへんの詳しい情報もほしかったですね。例えばフルトヴェングラーものならば、使用過多でオリジナル・マスターそのものが劣化して、、、といった話がよくあったりするが、この1959年当時のマスターテープについてはどうだったのだろうか。やはり使用過多のオリジナルよりも高性能市販リールテープの方が作りも含め丁寧だったということなのか。それはありうる。自分でもそのような経験があるから。見事な定位をもった4トラ19センチを何本か持っていて愛聴していた時代はそんな昔の話ではない。
再生は結局今は、TEACのX2000Rを持っているが、最近はあまり聴かない。配線もやめている。アメリカ120ボルト仕様。昇圧機をかませば問題なし。一度日本でオーバーホールしたことがある。7万ぐらいとられたから腕時計の分解掃除なみだった。動くことは動くがリールテープの磁気の粉とかを一回ずつヘッドから取り払わないと速度が緩んだり再生音が変になったりする。とにかく面倒くさい。それがいいという人もいますけれど。
.
ということで今回の平林さんの製作はCDなので非常に楽。それで音はどうなんだろう。聴いてのお楽しみ。びっくりするぐらい分解されていて特に低音のクリアな響きがすごい。それに高音のヴァイオリンの音も美しく、演奏のおそらく一発勝負的な雰囲気がよく出ている。足音などもリアル感あり。書くのはここまで。
.