2016年9月24日(土) 6:00pm NHKホール
モーツァルト ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595 13′7′9′
ピアノ、ラルス・フォークト
(encore)
シューベルト 楽興の時 第3番ヘ短調 2′
Int
ブルックナー 交響曲第2番ハ短調 (キャラガン版(第2稿に基づく校訂))
16′17+6′16′
パーヴォ・ヤルヴィ 指揮 NHK交響楽団
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27番コンチェルトは、この前(2016.9.16)、ケフェレックのピアノで聴いたばかり。
27番のスコアはスカスカな気がするが、フォークトのピアノは慎重に正確にポツポツと弾き進む。均質なタッチ。全くぶれない。厳格さが音楽の中心にある。そうすることで、音楽を一段高いところに持っていく、のではなくて、別のオーソドックスなスタイルを手にいれている。自分にはこうゆう演奏があっている。心地よい響きのモーツァルトでした。
後半のブルックナーは第2稿、短縮で緊縮な版。約55分の演奏。マゼール&バイエルンRSOによるノヴァーク版70分とは随分と違う趣き。どっちにしても色々と手を加えて一見ボロボロ、でも2番。なんだかムソルグスキーの世界を垣間見る心地ですゎ。
この日の演奏はスコアを見ているような具合の演奏で、スコアだとヴァイオリンもベースも、同じ大きさのオタマジャクシなわけですが、実演のほうもそんな感じで、音場が高低同じような強度、結果、軽い。バランスがいいとはどういう意味かともう一度、自問。
第1楽章ソナタ形式の経過比率は、
提示部:第1主題2、第2主題1、第3主題1
展開部6
再現部:第1主題2、第2主題1、第3主題1
コーダ2
以上4-6-4-2の構成感。これはこれで素晴らしいバランス。
いわゆるデモーニッシュ(陳腐な言葉かっ)の対極解釈で、これが今風の普通の演奏。
ブラスがさざ波をたてるように進む音型が、引き締まった弦に前進力を与えている。清らかでピュアな演奏でした。もう一歩、踏み込んでほしかった気もしますが、これはこれで楽しめました。
おわり