河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1578- グラズノフ、ワルツ1、チャイコン、ジェニファー・コー、スリーピング・ビューティー、アレクサンドル・ヴェデルニコフ

2014-01-12 00:22:42 | インポート

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2014年1月11日(土)3:00pm NHKホール
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グラズノフ 演奏会用ワルツ第1番 8′
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 20′8′10′
 ヴァイオリン、ジェニファー・コー
(encore)
バッハ 無伴奏パルティータ第2番BWV1004から、
サラバンド 2′
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チャイコフスキー 眠りの森の美女 抜粋(8曲) 43′
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アレクサンドル・ヴェデルニコフ 指揮
NHK交響楽団
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今日のN響は好調だ。粒立ち良く、目をつむるとアインザッツがいつにも増してよく揃っている。特にウィンドは歯切れよく気持ちいい。立て板を一枚ずつ抜いていくような揃い具合。そしてブラスもやたらと好調。グラズノフでのホルンとトロンボーンの裏打ちがこれほど気持ちよく合い、音楽的と呼ぶしかないような按配で、並々ならぬ合い具合、歌い具合、このような演奏で聴けるとは。美しすぎて言葉もない。
たぶん、指揮者のヴェデルニコフに起因する。
劇場の人であるが激情型のムチャ振りは全くしない。棒を持たない左手がかなり雄弁だ。どちらかというと十把一絡げ風なラザレフ(2013.10.18)とは真逆な表現で、指示が個々にゆきとどいており端正とさえいえるおもむき。さらに言うなら、劇場型の人を越えた理性の人かもしれない。シンフォニックとはちょっと異なる、整理整頓の部分の能力が秀でているのかもしれない。はっきりすっきり響いたグラズノフにうなりました。
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チャイコンの聴きものは伴奏を越えて、グラズノフの演奏をさらに拡張したようなウィンドの素晴らしさ。これも目をつむると明確にピッタリなのが良くわかる。
ジェニファー・コーはお初ですが、見た目がスキニーというか筋肉質のような、はがねのような。
そして見た目のような音が出てくる。ややドライで、響きが均質で、音価の質感の均整がよくとれている。チャイコンの泣き節の世界にはいない。一つバランスを崩すとだましがきかないかもしれない、一つ崩れるのも全部崩れるのも同じという理系的世界の音楽で、うまく決まれば今日のようになる。
この理系的な音のつくり、ヴェデルニコフの方針とマッチしているように思える。ソロ、オーケストラ、指揮、うまくいったこれも好演。
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眠りの森の美女、8曲抜粋はヴェデルニコフ譜面不要の馴染みの曲。ラザレフは抜粋ではなく組曲ということでやったが響きがかなり異なる。オーケストラの性能による部分が大きいとはいえ、これほど違うとはやはり指揮者という存在の大きさにはびっくりする。
ヴェデルニコフは、チャイコフスキーそしてスリーピング・ビューティーの演奏のしかた、自分の中に培ってきた演奏、それのN響への移植である。どこをどう鳴らせば力が抜けて明瞭な響きのサウンドになるのか、ベールのほこりが取れ生き生きした演奏になるのか、全てわかっていて、それを移植する。
彫りが深く、音粒が明瞭、奥行きのあるオーケストラサウンド、生き生きと流動するチャイコフスキー、素晴らしい演奏。堪能しました。
おわり



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