2019年9月21日(土) 2pm トリフォニー
シューベルト 劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」D797 より
序曲 8
第3幕への間奏曲 8
バレエ音楽第1番 8
バレエ音楽第2番 6
Int
メンデルスゾーン 交響曲第2番変ロ長調Op.52讃歌 60
第1部 シンフォニア 8-7-7
第2部 +8+3+2+4-4+4+5+3+5
ソプラノ、馬原裕子
ソプラノ、相田麻純(Ms)
テノール、清水徹太郎
合唱、栗友会合唱団
ポール・マクリーシュ 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
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マクリーシュと言えば都響を振った公演が忘れがたい。今度は新日フィルをこれまた素晴らしいプログラムで振ってくれた。
シューベルトのロザムンデ。10曲中4曲をピックアップして演奏。思いの外、規模が大きく聴きごたえ満点でしたね。
素晴らしく柔軟なオーケストラ・サウンドが魅力的。ソロ、アンサンブル、合奏、どれをとっても陰影がそこはかとなく同じようでもあり、うつろい、移り行きの呼吸が生き物を感じさせてくれる。シームレスで曲線が揺れ動きながら進むさまは極美であり、どこまでもいつまでも続いてほしい、終わってほしくない。シューベルトが今更ながらに息を吹き返す。指揮者とオーケストラの一体感、作品愛、お見事でした。なんだか全部聴きたくなった。
10型対向。
讃歌。シンフォニアと第2部で60分の大曲。
馴染みのあるトロンボーン節が割とさっぱりと速めに始まる。コクのあるシンフォニア3曲、実によい流れ。何かモノローグ風味で静謐。聴き手の心をまずは鎮めてくれる。
第2部に入り、合唱の線が見事に決まり美しい。バランスも良いもの。そしてなによりもオーケストラと同じく表情の味わいが深い。リブレットを見ながら聴き入る。この日のテクストはマクリーシュ改訂による英語版。そのせいかどうか、響きがまろやかさを醸し出している。極上の演奏によって作品を改めて知る。愉悦の極みですな。
これら合唱、そして、上に抜けるような独唱共々、ウェットな清涼感、メンデルスゾーン節、もはや、堪能の言葉しかない。
極美演奏会ありがとうございました。メンデルスゾーンの讃歌はもっともっと演奏されて然るべきものですね。お陰様で作品の良さが心に染み渡りました。繰り返しになりますが、シューベルトのキプロス女王ロザムンデはあまりの美演に丸ごと聴きたくなりました。
12型対向Cbは右左2本ずつ。
美しい演奏、ありがとうございました。
おわり