1983-1984シーズンのことを書いてます(マンハッタンの公演だらけです)
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この前書いたザンデルリンク指揮によるマーラーの10番6回公演のうち、2回目の1984.1.7の公演の翌日1984.1.8にブルックナー交響曲第9番キャラガン版による世界初演が行われたわけですが、とりあえず1.7のことを書きます。
この日の前後は、ザンデルリンクがニューヨーク・フィルとマーラーの交響曲第10番クック全曲版の6回公演の最中であった。
河童は1月5日にこの公演にもぐりこんで、未体験ゾーンのマーラーを楽しんでいた。
そして1月7日つまりブルックナーのキャラガン版世界初演の前の日も、このマーラーを再度楽しむためにゆっくりと席に座った。
のだが、
今日はどうも隣のおじさんがチラチラと右左をみて話し相手を物色している。
隣のおじさん
「エクスキューズ・ミー・サー。きょうのマーラーは10番の全曲版ということで興奮するね。」
河童
「ヤー。でも、僕はおとといの初日も聴いたので今日は2回目だけど。」
隣
「オー・グレイト。君は新しいもの好きだね。」
河童
「ワゥゥ。別にそんなこと、あるかもしれない。」
隣
「今日のマーラー10番もエキサイティングだが、
ユノウ?実は明日ブルックナーの交響曲第9番のキャラガンが作った第4楽章付の全曲版の世界初演があるんだ。」
河童
「アイノウ。だってチケットもってるもん。」
隣
「リアリ?それはすごい。明日は3時からの公演だね。」
河童「ライ。」
隣
「じゃ、今日のナイトキャップはほどほどにして、明日公演前の1時に52丁目の方にこないか。(といっておもむろにブローシュアーを取り出す。)」
河童
「ホヮット?日曜日の朝はおそいんだ。」
隣
「明日1時からブルックナーの公演の前にフランク・プラッシュのブルックナーの講演があるらしい。」
河童
「講演を聞いてから公演を聴くのか。(日本人にしかわからないジョークだな。)」
隣
「駄洒落はよくわからんが、とにかくこのブローシュアーにサインしておくから、それもってきて。それと名刺もあげとく。」
名刺には、アメリカ・ブルックナー協会西地区会長FRANK J.PLASH と書いてあった。