河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2180- 柴田南雄、萬歳流し、山田和樹、東京混声合唱団、2016.9.6

2016-09-06 23:44:27 | コンサート

2016年9月6日(火) 2:00-4:30pm 神奈川県立音楽堂

里の秋/故郷/見上げてごらん夜の星を/蛍の光
春の小川/雨降りお月さん/かもめの水兵さん/夏は来ぬ
以上8曲 32′
ピアノ、小林有沙

柴田南雄 萬歳流し (1975)  14′

Int

上田真樹(曲)/林望(詩) 混声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」 20′
ピアノ、小林有沙

みかんの花咲く丘/うみ/リンゴの唄/おもちゃのチャチャチャ
幸せなら手をたたこう/思い出のアルバム/今日の日はさようなら
以上7曲 28′
ピアノ、小林有沙

(encore)
森田花央里(曲)/葉祥明(詞) ひかりの世界からの手紙 (世界初演) 3′
ピアノ、小林有沙

 

山田和樹 指揮 東京混声合唱団


柴田南雄生誕100年、没後20年。この前(2016.9.2、2016.9.3)、両日にわたりヤマカズと日フィルによる「コンソート・オブ・オーケストラ CoO」を聴いてあらためまして、いたく感動。
柴田南雄イヤーにつき色々と聴けるのはいいですね。この日は「萬歳流し」を聴きにいってきました。CoOに比べたら頻度はあると思います。自分としては初めて観る聴く。
指揮は日フィルのときと同じくヤマカズ。音楽監督として東混を指揮。
柴田のシアターピース2作目。現地での音源採取がオリジナルで、アレンジはしない方針で作ったとのことなので当地でのリアリスティックな世界を聴ける。合唱の素材としての活用という話ではなくて、シアターピースを作るうえでジャストな素材がこれだったということだと思います。

東混としては比較的慣れた作品かなとは思いますが、何しろこちらはお初です。色々とわかりました。
舞台の照明を落とす。照明を落としても聴衆のおしゃべりは全くやまず、トーンダウンもしないものでちょっとこちらとしては正直なところ先が心配になりました。また遅刻入場者もここでは常識のようで、暗くなっても普通にバタバタと出入り。萬歳流しの前にあった日本の歌も色々と煩わしかった。これは席を中央横通路のドアの近くにとったからだろうとあきらめ。横通路の上の一列目だったのでユジャ・ワンのとき(2016.9.4)のような席の狭さはありませんでした。
それで、照明を落としてしばらくしてから、その横通路の両方のドアから女声合唱グループが入り、すぐに壁伝いに舞台の方に向かって1列整列。
男声陣は舞台上に非対称にポジショニング。ピアノは使わないので中央が空く感じでひな壇に闇の中、彼らは立っている。
光がさし、1組の太夫と才蔵が前に。そしてこの2人で萬歳が始まる。喋りと掛け合いの呼吸、2人のリズム、素晴らしく、息もよくあっている、大変にノリの良いもので躍動するものだ。
歌が進むにつれて、6組ほどの太夫&才蔵の組み合わせは舞台から聴衆席の方に掛け合いながら散らばってくる。小鼓はぐっと控えめな拍子道具。
ヤマカズはどこ?と、舞台の上で太夫か才蔵かわからないが彼らと同じ装いで一人指揮を始めている。開始と回数を指指示している。ここらへんはCoOでのトーンクラスターのところと同じ指揮指示ですね。
両壁に並んでいた女声グループは舞台に移動し、斉唱を始めている。会場に散らばった太夫&才蔵の歌は加熱してくる。あらまぁと、おひねりを出す客も何人かいますね。なかなかいい雰囲気になってきた。会場のあちこちで萬歳が騒然となるなか、太夫&才蔵も舞台へ戻っていく。ヤマカズの指揮は明確なものとなってきて盛り上がりが爆発してエンディング。
この日のヤマカズは全てタクトをもたず両腕で柔らかく指揮。振る姿はオーケストラの場合と同じです。この萬歳流しはシアターピースであり、あちこちと向きながら指揮をしなければならないが1000人ほどの収容サイズのホールで、手ごろな感じですね。
シアターピースの萬歳流し、下に示すような資料を読んでも、じゃぁ、具体的にどのような場所で、誰に見せていたのか、わかりませんね。昔は各家々にまわり、家の前でもやっていたのではないのでしょうか。その記憶は人によっては掘り起こせるような気がしないでもありません。潜在化した記憶は何かのきっかけで表にでるものかもしれない。
この日の演奏は14分ほどで終わってしまったので、アドリブによる伸縮だけではなくどこか割愛していたのかもしれない。もう少し長い作品と思います。
聴くほうとしては色々周りのコンディションなども含め再度じっくりと聴かせてくれる場に出会いたい思いがありますね。これ実感。

柴田南雄の作品、ここ1週間ばかりの間に2作品聴いたことになります。コンソート・オブ・オーケストラ、萬歳流し、全く違う作品。作曲家としての振幅の大きさ、時代をつかまえる感性の鋭さ、表現の鋭さと多様性。見事ですね。9月からコンサートシーズンになり今年中に柴田作品をまだまだ聴けそうです。
おわり


参考資料

1.
法政大学アリオンコール HISTORY
第2部 企画特集 委嘱作品一覧    法政大学アリオンコール 委嘱作品一覧
1975年
柴田南雄「萬歳流し」

2.
柴田南雄「萬歳流し」
歌詞


1 コメント

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横手萬歳 (Pilgrim)
2016-09-10 11:43:46
 三十年前のドキュメンタリー動画へのリンクを貼りました。柴田南雄や法政アリオンも出て来ます。横手萬歳自体は伝統芸能の一つとして、かまくら祭りや焼きそばグランプリ等で演じられているようです。
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