2018年3月5日(月) 7:00pm 東京芸術劇場
チャイコフスキー ポロネーズ 5
グリーグ ピアノ協奏曲イ短調Op.16 13-5+12
ピアノ、仲道郁代
(encore)
ショパン ノクターン第20番嬰ハ短調 遺作 3
Int
チャイコフスキー 交響曲第6番ロ短調Op.74悲愴 20-9-10+10
(encore)
ダニーボーイ(アイルランド民謡ロンドンデリーの歌) 4
小林研一郎 指揮 読売日本交響楽団
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炎の右腕メイン振りはますます磨きがかかってきて、そのうちロジェストヴェンスキーみたいに右腕一本で表現できないことなど何もないのだよ、の気配濃厚でこれからがますます楽しみですね。
テンポもいじらずほぼ不動。悲愴終楽章のブラスによる強奏シンコペーションの前のところ一気にアチェルランドしましたけれどもそれ以外はほぼ動かない。この安定感はなかなかのもの。第1楽章の美しい第2主題はこのテンポ感でとろみが出ます。濃厚な旨味とはちと違う静止衛星的浮遊感。
総じてチェロの鳴りが素晴らしく良くて快感。充実した内容でした。マーチのあとでパチパチと出ましたけれども、フェスティバルだから来た客も沢山いたという事がフライング拍手でわかるという、妙といえば妙だが、これはこれでよく理解出来る。意識された作為のフライングではないフライングを久しぶりに聞きました。こういうのはいいですね、ピュアで。忘れていたことを思い出しました。
アンコールのダニーボーイ。弦楽合奏で、ここでもチェロの充実した鳴りが素晴らしかった。きめ細やかな木目調の素敵な演奏でした。
前半はグリーグのピアノ協奏曲。この曲、ここ10日余り、今日で4回目。これだけ聴くとさすがにスカスカだなぁと感じる作品で、やっぱり、この曲を作った時の作曲家のインスピレーションをピアノでうまく表現できてこそのピースと感じる。今日はフェスティバル公演で油断という事は無かったと思いますけれども、じゃぁいつ本気で弾いてくれるのかと、毎回本気度100パーセントで演奏会に臨むのは大変な努力がいるでしょうけれども、客はいつも違う。これ肝に銘じてとサラリーマンもあらためて感じるそんな演奏でした。
おわり
2018都民芸術フェスティバル参加公演
オーケストラシリーズ NO.49