1983年に続き、ニューヨーク・フィルは1983-1984シーズン・サブスクリプションを少しだけ早めに切り上げ、ホライゾン・シリーズをおこなった。
ホライゾン(Horizons’84)というのは、簡単に言うと現代音楽の促進のためのシリーズである。
この年はニュー・ロマンティシズムと銘打っている。
20年以上前にこのような企画が音楽の現場で行われたのであり、それは内容を見れば今でも圧倒的だ。
シンポジウムもいれて10日間。
このうち、ニューヨーク・フィルがメインのコンサートは5回ある。
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ニューヨーク・フィルの夏の音楽祭は、他のオーケストラと異なり、ほぼ無い。
昔はLewsohnスタジアム・コンサートがあったが、夏は夏枯れ。
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クリーヴランド管弦楽団は
ブラッサム
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フィラデルフィア管弦楽団は
サラトガ
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シカゴ交響楽団は
ラヴィニア
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ボストン交響楽団は
タングルウッド
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夏でもみんな頑張っている。
真夏に同じくエイヴリー・フィッシャー・ホールを中心に「モーストリー・モーツァルト」というのがあるが、これはニューヨーク・フィルとは関係ない。
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ビッグ5は夏はビッグ4になってしまうが、
しかし、シーズン・オフがあってもいいような気がしないでもない。
夏は音楽から離れ、別のことをするのもいい。
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ということで、この時期まだ夏ではないが、この年のホライゾンはこのように進行した。
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ニューヨーク・フィルハーモニック
ズービン・メーター音楽監督
HORIZONZ’84
THE NEW BROADER VIEW
ジェイコブ・ドラックマン、芸術監督
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1984年5月30日-6月8日
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5月30日というのはサブスクリプションの直後である。
ちなみにサブスクリプション最後はエーリッヒ・ラインスドルフ指揮によるマーラーの3番であった。
腕も乾かぬうちのホライゾン・シリーズであるから、何の問題もない。
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このホライゾン、毎日なにかある。
初日はシンポジウムであった。
つづく
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