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文化の日がらみの11月最初の三連休。
1日(土) 2日(日) 3日(月)
3日の月曜日は完全休養でゆっくり休みたいところだったが、この最後の最後に、なんと夜の7時からの公演。
誰もはいっていないだろう、と思ってサントリー・ホールに向かったが2階後列側S席がきれいに空っぽだった以外は結構入っていた。みんな元気ある。。
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2008年11月3日(月)7:00pm
サントリー・ホール
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チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
ピアノ、デニス・マツーエフ
(アンコール)
バッハ/サラバンド
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チャイコフスキー/交響曲第5番
(アンコール)
エルガー/愛のあいさつ
チャイコフスキー/ナッツクラッカーよりトレパーク
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ユーリ・テミルカーノフ 指揮
サンクトペテルブルク・フィル
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‘レニングラード・フィル’の方がどうも語感、響きがいいのでこのあとはそう書く。
レニングラード・フィルの来日公演にはなるべく必ず出かけるようにしているが、20年前の1988年に神が天上に去った後、その席に座り続けるテミルカーノフ、この組み合わせ、最近は録音もさっぱりで、大半は古録の偽新譜があるだけだ。結局、来日公演が一番の聴き時となって久しい。
この日は昼夜の2回公演の予定だったのだが、お昼のほうは中止となった。理由は指揮者の健康上の理由らしい。そもそも1日2回おこなうなんてぇのは昔はなかった。バブルの頃あたりにマゼール、フィルハーモニア管だったかが、暴挙に近い形で行い、内容もさっぱりだったのだと思うが、あすこらあたりから始まった悪癖みたいなものだ。これをやるとはっきり言って粗末になる。
それはそれとして、まずこの日の音を聴こう。
神が去る10年前あたりに神の音を聴いた身としては、やっぱりこの音はこのオーケストラからしか出ない、納得し屈伏させられてしまう。
ピアノ協奏曲の第1音は実にさりげないテミルカーノフの棒から信じられないような柔らかくて、透明で、それでいて力強い弦で開始された。昔、神ムラヴィンスキーが同じように信じがたい田園の第1楽章の第1音を出したのをふと思いだしたりした。
この独特のサウンドは世界広しといえどもこのオーケストラからしか出てこないもの。録音ではまずわからない。生に限る。。
ブラスの音は個々人はたぶん細みの音になっているが、弦の透明感は技術力の上に何かがあることをあらためて思い知らされる。
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テミルカーノフの棒は