2015年6月27日(土) 2:05-4:50pm オペラ・パレス、初台
遠藤周作 原作
松村禎三 台本、作曲
宮田慶子、演出
沈黙 63′、73′
キャスト in order of appearance (たぶん)
1.キチジロー、星野淳、バリトン
2-1.ヴァリニャーノ、成田博之、バリトン
2-2.ロドリゴ、小餅谷哲男、テノール
3.モキチ、吉田浩之、テノール
3.じさま、大久保眞、バリトン
3.イチゾー、unknown
4.オハル、高橋薫子、ソプラノ
5-1.井上筑後守、島村武男、バリトン
5-2.通辞、吉川健一、バリトン
6.フェレイラ、黒田博、バリトン
7.おまつ、与田朝子、メッゾ
7.少年、山下牧子、メッゾ
7.老人、大久保光哉、バリトン
7.チョウキチ、加茂下稔、テノール
他
新国立劇場合唱団
世田谷ジュニア合唱団
下野竜也 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
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ダブルキャストの初日公演。リヴァイヴァル公演です。
遠藤作品、松村オペラ。問題提起型オペラはひとつツボにはまると緊張感の持続が苦しくない。圧巻でした。
演劇的モード色濃く、ビジュアル的にも美しい。オペラ枠におさまりきらないものを感じました。キャストの決まり具合も最高でした。良い緊張感を味わいました。
最後のシーンに至るまでの長さには自己弁護的な色彩感も感じました。小説の最後の部分を丸ごとカットした松村オペラ。原作との力点の違いが出るところでもありますね。
絵を踏もうと足をあげたところで照明落とし、幕。と言うのが個人的には好みです。松村オペラの小説カット意味合いはどのような効果を狙ったものなのかわかりません。示唆に富むものである気はします。
望むときに現れるわけでない、心のテーマ、ですね。
このオペラ見逃してしまうと何か大切なものを見失っているような気にさせてくれます。
いわゆるオペラ節のない現代風味のオペラに見せる下野の理知的な締まった表現はもはや彼の生まれながらにしてのセンスとでもいうべき一体化境地であり、オペラというもののエッセンス、絞りきった後の果実からでもなにか出てきそうな気配さえ漂う。
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冒頭はPA有りと思える音響バランスだったように感じました。
キャストみなさん概ねスタイリッシュな感じで良かったですね、わけてもキチジロー星野さん存在感ありました。
井上筑後守の衣装、カーテンコールでもまともに歩けないぐらいきまっていましたね、日本式の迫力を感じました。
子供たちの踊りの色彩感、別物色という感じでインパクトありました。
日本語の歌に日本語の字幕、これはこれで賛成です。外国人が見たらびっくりするかもしれませんが。
今回の千円プログラム、何場構成なのか書いてありません。それでいて「聴きどころ」解説は場を持ち出していて、妙な読み物になっています。全体を俯瞰できるチェッカーが必要です。募集していたら応募します。
おわり