2019年1月23日(水) 7pm サントリー
デュカス 魔法使いの弟子 11
ザンドナーイ あるお伽噺の印象 白雪姫 4-4-3-4+6
Int
リムスキー=コルサコフ シェエラザード 10-12-11-12
アンドレア・バッティストーニ 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
●
バッティによるお伽噺プログラム、丁寧な音作りでオーケストラが良く合わせている。ウィットに富んだデュカス、ザンドナーイのデリカシーたっぷりな音楽も魅力的。何事もないがしろにしない、佳作の佳演。
シェエラザードが、また絶品。締め付けではなくて開放。大きく広げて自由な空気の深呼吸。演奏は静けさからヴォルテージの高い激しさまで大きな振幅を魅せつけてくれる。自由な響きの音楽から経由して作られるメリハリ感というのは束縛とは違う筋の通った生きた演奏を思わせる。
2楽章のウィンド4種、各パートソロの絶妙な歌い口。こぶしのきいたような陰影が素晴らしい。しびれる。次の楽章では、しなやかに大きく歌う弦。それに絡むウィンド、これがまたお見事。これら中間2楽章、惚れ惚れする演奏でしたね。
その絶妙な第2楽章でもうひとつ特筆すべきは結尾の締め、バッティのこれでもかという猛烈な駆り立てに吃驚。ただならぬ気配に唖然茫然で、一体全体何をしようというのだ、というところがありましたね。メイクドラマの必要な波であったのかもしれない。終楽章の表題に持っていくまでのドラマですね。
ソロの歌い口が皆さんお見事で、特にコンマスさんのヴァイオリンにはうっとりと耳を傾けました。
アラビアンナイト物語、絵巻物のような演奏に舌鼓。
ありがとうございました。
おわり