2794- スクリャービン 1番 5番プロメテウス アシュケナージ N響 2006.2.25 N響創立80周年記念
2006年(平成18年)2月25日(土) 6pm NHKホール
N響創立80周年記念
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スクリャービン 交響曲第1番
メゾ、マリーナ・ブルデンスカヤ
テノール、セルゲイ・ラーリン
合唱、国立音楽大学
ウラディミール・アシュケナージ 指揮 NHK交響楽団
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INT + プレトーク
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スクリャービン 交響曲第5番 プロメテウス
ピアノ、ペーテル・ヤブロンスキー
色光ピアノ、井口真由子
合唱、国立音楽大学
プロデューサー/川口義晴 照明/成瀬一裕 演出/今井伸昭
装置/鈴木俊明 音響技術/関口嘉顕 衣装デザイン/小野寺佐惠
舞台監督/徳山弘毅 舞台監督助手/クリエイション
大道具制作/東宝舞台(株)、村上舞台機構
照明/(株)ライティングカンパニーあかり組、CAT
照明制作/栗山聡之、(株)マグナックス
イメージ・メッシュ/(株)コマデン
音響/T・H・M 衣装制作/東京衣装(株)
色光ピアノ制作/ヤマハ(株) 製作協力/(株)せきれい社
監修 野原泰子
ウラディミール・アシュケナージ 指揮 NHK交響楽団
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オペラ嫌いのアシュケナージが組みそうないかにもショートなプログラム・ビルディング。両曲とも短い合唱があるため、同じ日でないとなかなか実現できないのだろう。今日の目玉はもちろんプロメテウス。
音は色である。ステージ後方で映像が色光ピアノとともに変化していく。神秘主義のイメージが具現化されたものであろう。昔であれば相当なインパクトであったことであろう。でも今のデジタル社会の現在、仕掛けも含めて普通。世界の技術的進歩のせいでスクリャービンのイメージしていた世界は実現したわけだが、まわりの現実はこのような技術的映像には十分すぎるほど慣らされてしまっており、皮肉にも、実現した時、過去のものとなってしまった。ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでCDを再生しているときに出てくる視覚的模様のようなものだ。
試みは別にしても、視覚的にはインパクトはなかったが、演奏は大変に充実したものであった。この両曲とも演奏される機会はあまりないのでそれ自体貴重である。第1番の充実したサウンド、弛緩することのない緊張感あふれる演奏が曲の弱さを忘れさせてくれる。
プロメテウスの第5番は、録音で聴く音とはかなり迫力が異なり、マッシヴなサウンド。ただ、分解能力があまりあまりよくないのは曲のせいか、オケのせいか、指揮者のせいか。線が不明瞭になってしまうところがある。合唱がはいると、オケとの音色が明確になるせいか良い響きを醸し出していた。最後はニニ・ロッソの夜空のトランペット風なメロディが壮大に曲を締めくくる。
おわり
追記
スクリャービンの5番プロメテウス、N響の解説はちからがこもってる。