子ども医療費無料化は、県内で約半数の自治体が中3まで実施しています。一方、東郷町では小3までで、近隣市町のなかでも特に遅れています。
日本共産党は、中学3年までの医療費無料化を求めています。
一方、川瀬町長は「先進事例を研究して小6までならできることが分かった」と言っています。
3月議会で日本共産党のかどはら武志議員が子ども医療費無料化制度の拡大を求めたのに対し、当局は「財政的な問題のため、拡大は考えない」と答弁しました。3月議会からわずか3ヵ月しか経たないうちに、財政事情が急に良くなったとでもいうのでしょうか。
財政の問題ではなくやる気の問題
子ども医療費無料化を前進させるために必要な費用はどれくらいかかるのか。6月議会で当局が明らかにしたところによれば、小6まで拡大するためには3600万円が必要です。3月では見込めなかった3600万円を、わずか3ヵ月の間にどうやって確保したのか。
実際には、財政の状況などは関係なく、住民の要求の前に小6までの拡大を表明せざるを得なくなったというのが実情ではないでしょうか。逆にいえば、その気になればいつでも拡大できたのに、ただ単にやる気がなかったから拡大できなかったのではないでしょうか。
やりくりの範囲なのに「やれない」と断言する町長
また町長は「中3までと、やれもしないことを言っている人がいる」と言っています。同じく6月議会で明らかになったところによれば、中3まで実施するには小6までに必要な費用にあと1800万円を加えれば可能です。
約100億円という規模を持つ東郷町の予算と比べれば、わずか0.2%ほどの額です。やりくりの範囲内であり、「やれる」「やれない」と断言するほどの数字ではありません。
隣の日進市やみよし市が早くから中3までの医療費無料化を実施しています。誰もが住みつづけたい東郷町にするためなら、これぐらいすぐに実施すべきではありませんか。
借金をしている町長が借金を否定するものではない
町長は「あれもやる、これもやるで借金を残してはならない」とも言っています。実際は、町長は国から認められた範囲内で、2010年度には臨時財政対策債5億4000万円(09年度比4000万円増)をしっかり活用して予算を組んでいます。これについて日本共産党は、東郷町の行政水準を維持するために必要な借金だと評価しています。
自分が必要だと認めて借金をしているのに、これを否定するかのような言い方はするものではありません。
町長は「財政健全化」を売り物にしています。そうであるならば、自らしてきたことを正確に住民に示した上で語るのが、最低限の見識というものです。