肯定するにせよ否定するにせよ、「論理的・実証主義的に、あるいは法的に正しい」ことと「政治的・形而上的に、あるいは道徳的に正しい」こととの間に区別をしない、あるいはする必要を認めない人間が棲んでいる世界のテーマである。
正攻法の事実探究の労作たるこの書に賞賛を吝しむつもりは毛頭ないが、私自身は近頃、この種の聞く耳を持たない輩に話しかけようとするなど所詮は無駄ではないかと思えたりする。話しかけられたくないのは無論である。
(文藝春秋 2004年6月)
正攻法の事実探究の労作たるこの書に賞賛を吝しむつもりは毛頭ないが、私自身は近頃、この種の聞く耳を持たない輩に話しかけようとするなど所詮は無駄ではないかと思えたりする。話しかけられたくないのは無論である。
(文藝春秋 2004年6月)