書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

伊藤整ほか編 『日本現代文学全集』 33 「永井荷風集」

2006年02月24日 | 文学
 題材は私にとってはどうでもいいか、むしろ嫌いなものばかりだが、こうしてかためて読んでみると、文章が惚れ惚れするほど上手い。後期の作品において特にそうである。
 この本に収録された中では、「濹東綺譚」「花火」それから「つゆのあとさき」に指を屈する。

(講談社 1962年5月)