書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

伊藤整ほか編 『日本現代文学全集』 17 「徳富蘆花集」

2006年02月28日 | 文学
 豊富な漢語語彙を駆使した雄渾な文体は、さすが蘇峰の弟とおもわせる。それとも父一敬の薫陶よろしくといったほうが真を穿っているのか否か。兄弟の父徳富一敬は、横井小楠の弟子である。瀬沼茂樹の「作品解説」、木村毅の「徳富蘆花入門」のいずれも、蘆花の文章の由って来たるところについては触れるところがないから分からないが。

(講談社 1966年2月第2刷)